春の学期が始まった。
月曜はバロック・バレーと室内楽。
バロック・バレーはリュリーのAlcideのメニュエット。室内楽はグノーの弦楽四重奏の最終楽章。
火曜はトリオの練習と、バロック・ダンサーとの資料づくり。
私たちは今、私のバレー仲間のエマニュエルといっしょに、『眠れる森の美女』のミュージカルを用意している。語りと音楽と踊り。音楽は私たちのミオンが中心。オーロラ姫の両親の世代の舞踏会の時はルネサンス曲を使う予定。私たちは16年前にミオンを発掘、編曲し始めるまではけっこうルネサンス曲も弾いていたのでストックがある。
エマニュエルが国立音楽院でやったデモンストレーションをはりつけておこう。
http://www.youtube.com/watch?v=L2e2Nwkx4eI
ここで使っているのはリュリーの曲だ。エマニュエルと踊っているのはカロリーヌで、彼女には、2007年に私たちのトリオと踊ってもらった。『王は踊る』(これにエマニュエルが出ていた。)を観てバロックに憧れてコンテンポラリーからバロックに来た時のカロリーヌは当時七区のコンセルヴァトワールでセシリアの上級クラスにいた私を「先輩」と意識していたのでおかしかった。コンテンポラリーから来たダンサーってどことなくアスリートの感じがする。筋肉の付き方とか。
これから私たちと組むのはエマニュエルと、もう一人別のダンサーで、彼女はクリスティーヌのクラスでバロックを始めたもとクラシックダンサー。大柄で迫力がある。
このプログラムは、子供たちにも楽しんでもらうようにできている。ヴェルサイユから映像資料を出すように言われているので昨日それを用意したのだ。ヴェルサイユで演るならリュリーを少し入れた方がいいかも。ただし、使いたいリュリーの曲は、五声部なので、私は中声部を二声同時に弾かなくてはならない。純粋にテクニック的には結構準備が必要だ。
来年のモンサンミシェルのフェスティバルでも可能性がありそうで、家族連れの観客と接するのはなんだか楽しい。
私たちは2003年に日本で公演した時、『聖家族の家』という養護施設で演奏した。私たちを歓迎してくれるために女の子数人が日本舞踊を披露してくれた。完成度が高くて、かわいくて、涙が出た。
私たちを紹介した先生は、「ギターと言ってもいつも僕が弾いてるようなやつじゃないんだよ、宮廷で王様のために弾いていたものだから静かに傾聴するように」と子供たち(3歳から18歳)に注意していたが、私は前夜必死に考えたシナリオをもとに、効果音を入れた話を用意していた。それはもちろん日本語だから、しかるべき所でしかるべき音を出してもらえるように、養護施設に向かう車の中で、フランス人の仲間たちに説明した。しかも始まりは、自動演奏人形を模したスケッチで、三人で一台の楽器を弾く構成になっていた。子供たちは笑ってくれた。
その自動人形スケッチは、1995年にエール・フランスが阪神大震災の被災児童をパリに招待した時にインタコンチネンタルホテルでいろいろボランティアが集まってコンサートをした時に考えたものだ。あの時に、無償で、自分たちのレッスンや仕事を休んでまでかけつけてくれたのはトリオの仲間と、古い友人のルイ・ロートレックだった。この時の演奏は録画されて被災地の避難所に配布されたというから、どこかで誰かの目に触れたかもしれない。
『眠れる森の美女』のプランを練ってると、子供たちの笑い声を思い出す。