何かというと脇が甘かったり、批判の対象になってきた教皇B16だが、私はファンだ。
今回のキリスト軍団に関する彼の態度は一貫していた。
ピウス12世からヨハネ23世、パウロ6世、ヨハネ=パウロ2世と、四代何十年にも渉って騙してきた男を、ラツインガーは執拗にチェックして来た。
キリスト軍団はメキシコ生まれで、福音派のカトリック版というか、マーケッティング戦略に則った顧客獲得がすごかった。創設当時のイエズス会ってこんな感じだったのかなあと思ったこともあったけど、全くひどい組織だ。
でも、中にいる人、かわいそう。完全にカルトや秘密結社と同じ構造である。
あらゆる陰謀系組織もそうだが、オメルタが支配している。オメルタ、は、自由の敵だ。
B16の融通のきかない誠実なところが、こういうところで発揮できてる。
彼もラツインガー時代に現金入り封筒を渡されてつきかえしたそうだ。
カトリックにこういう自浄能力があるのは信頼感をそそられる。
金、権力、秘密、美辞、脅し、カリスマ、これが組み合わさった「悪意」を告発するのはどんな分野でも容易なことではない。