今日はイラクの「怒りの日」で、どうなるかと思っていたら、やはり死者も出たらしい。
教育や医療システム、飲料水や電気などの深刻な問題はあるか、イラクの若者の蜂起を見ているとやはりつらい。
他のアラブ軍事政権諸国での若者の要求と、イラクの若者のそれは、微妙に違う。
たとえば、チュニジアやエジプトでは雇用促進を求めるものがあった。独裁者の汚職に関しても、独裁者の中には、最初は社会改革を目指していた人もいたのに、それがここ20年の新自由主義経済によるマルチナショナルな投資の余禄が肥大して、個人資産の拡大に突っ走ってしまった、という事情がある。
ところが今のイラクは、「アラブ世界の民主化をドミノ倒しに達成する」といううたい文句のアメリカによる一方的な戦争で荒廃した上、今のイラク政府はそのアメリカから来る復興予算(8億ドルと言われる)を一部の閣僚が懐に入れている。
今度の騒ぎで、政府は一般公務員の給料を引き上げて、大臣の給与は半額にカットすると言ったらしいが、要するに、今のイラクの汚職の中心は、自由投資家からの賄賂や場所代などを独占しているからではなく、アメリカなどから供与されている復興予算で私腹を肥やしているところにあるのだ。
だから、若者の不満も、
「自分たちに職を与えろ」
というよりも
「復興予算を公平に分配しろ」
というのがあって、その辺が、悲しい。
国の富を独占している独裁者に分配を要求しているのではなくて、国自体がぼろぼろ状態だからだ。
構造的に違う。
サダム・フセインを打倒する、というようなかたちの民主革命にはもうなり得ないからだ。
誰がこんな風にした?
ともかく、イラクが他のアラブ諸国の「民主化」余波で、今後どのような展開をするのか注目したい。