L'art de croire             竹下節子ブログ

おかず

私は朝、たいてい床の中でぐずぐずしてラジオを聞いている。

好きなのはインタビュー番組で、寝ぼけながらぼーっと聞いていることも多く、聞き逃しや聞き落としする言葉も少なくないが、別に支障はない。たまに、固有名詞で知らないものがあると、メモしておいて後で検索したり、分からなかったものはネットでもう一度番組を聞いて確認することもある。

単に、ある人の名がRoland と Laurent (日本人耳にはどちらもローランと聞える)のどちらかなのか聞きとれないことはあるが、そういうものが問題になることは少ない。分からないと困るのは団体名の略称などで、後で確認することが多い。

ところが先日、ある人のインタビュー(政治論議だったっけ・・・)で、二度「オカズ」という言葉が聞えて、意味が分からなかった。

普通は言葉一つなら意味が分からなくても全体として困らないのでスル―するのだが、短時間に二度も出てきたので注意を引いた。

あまりテーマの本質とは関係がなくただの言いまわしだとは思ったが、

「おかず」?

何だ、これは・・・日本語のおかずみたいだなあ、と寝ぼけた頭の隅にひっかかった。

それで目が覚めてしまったので、インタビューの終りの方でもう一度「オカズ」と出てきた時には、文脈からようやく意味が分かった。

au cas où (・・・という場合には)

と言っているのだ。

私は驚いた。

これはごく普通の表現で私もよく使うが、

「オ、カ、ウ、」と言う。

これって、ひょっとしてリエゾンするのか?

この国に35年も住んでいて気づかなかったのか?

さっそく起きて、すぐにインタネットで調べてみた。

すると、最初にフランス語のとある掲示板で、

「au cas où」というのはokazou と発音するのでしょうか、という質問が出てきた。

そこにいろいろな返事があり、台湾の人とか、いろいろなフランス語学習者が書き込んでいるのが分かった。同じ場所に、

「Fais attention!」(気をつけて)というのもフェザタンションでしょうか、と続いている。

私は一瞬目を疑った。

突然、なんだか、すべてに自信がなくなってきた。

幸いその掲示板からすぐに、アカデミー・フランセーズのサイトにとぶことができた。

結論を言うと、特定の言いまわしを除いて、

発音されない子音で終る名詞の単数形の後にはリエゾンはない。

ほっとした。

そりゃそうだ。「Ce pays est ・・・」とか「Le chat est…」という文がリエゾンしてたら大変だ。

二人称単数動詞の後もしかり。

他にもいろいろあって、すべて納得がいく。

http://www.academie-francaise.fr/langue/questions.html#liaisons

私がソルボンヌでリエゾンについて習った時は、

pas encore(まだ…ない) のリエゾンは必須だが、あえてリエゾンしない時には「まだで助かった」というニュアンスが加わるのだということと、英雄の「héros」という単語はもとはmuetのhだったが、複数でles héros という時にリエゾンするとレゼロとなって「zéro」と区別がつかないと不便だからリエゾンしないhに変更されたのだ、女性形のヒロインは l’héroïneとリエゾン可能なままなのだという話題だけを今でも覚えている。

何であの頃、アカデミー・フランセーズの規則をまとめて教えてもらわなかったのだろうと思うが、まあ、いろいろ習っても、こちらのレベルが低いと意味がなかったかもしれない。

で、「オカズ」は明らかに間違いなのだが、フランスの掲示板でも、「たまにオカズと言うのを聞くのですが・・・」ということで迷って質問が寄せられていたわけである。

だから実際にオカズと言っている人はいるのだ。

方言でリエゾンをあまり使わない地域はある。また、近頃はリエゾンをしない人が増えてきたという現象もある。

でも、リエゾンのない場所でリエゾンをする方言もあるのだろうか。

そして、もちろん、学者がラジオで「オカズ」と10分以内に3度も発しても、インタビュアーが「それはおかしいですよ」などとは言わない。
だからこの人はこれからもいつまでも気にせずにオカズを連発するのだろう。

そう思うと、複雑な気分だった。

参考にリエゾンの規則だけコピペしておこう。


***

liaisons

En français, la liaison peut apparaître entre un mot qui se termine par une consonne et un mot qui commence par une voyelle ou un h non aspiré (voir aussi l’article Le haricot), si ces deux mots ne sont séparés par aucune ponctuation ni par aucune pause orale. Selon les cas, elle est obligatoire, facultative ou interdite. Les noms propres sont également soumis à la liaison.

La liaison est obligatoire :
- entre le déterminant et le nom : des(z)amis, tout(t) homme ;
- entre l’adjectif antéposé et le nom : un(n)ancien(n)usage ; ainsi on dira un savant(t)aveugle si aveugle est un nom, mais un savant aveugle si savant est le nom ;
- entre le pronom (sujet ou objet) et le verbe : ils(z)aiment, on(n)aime, ils vous(z)aiment, ils(z)y vont, courons(z)-y, donnez(z)-en ;
- entre est et le mot qui suit, dans des formes impersonnelles ou dans la forme présentative : il est(t)évident qu’il viendra ; c’est(t)à voir ;
- entre l’adverbe et le mot unis étroitement : trop(p)étroit ; bien(n)aise ;
- entre la plupart des prépositions monosyllabiques et le mot qui suit : dans(z)une heure ;
- dans la plupart des mots composés et locutions : un pot(t)-au-feu, mot(t)à mot, de temps(z)en temps.

Elle ne se pratique pas :
- après la conjonction et : un fils et une fille ;
- après la consonne finale d’un nom au singulier : un temps idéal, un nez épaté ;
- après le s intérieur dans les locutions nominales au pluriel : des moulins à vent ;
- après la finale -es de la 2e personne du singulier de l’indicatif présent et du subjonctif présent : tu portes un habit vert ; Il faut que tu lui écrives un poème. On fera en revanche la liaison lors de la lecture de vers ;
- après les mots terminés en -rt en -rs, sauf s’ils sont suivis de il, elle, on ou s’il s’agit du t de l’adverbe fort ou du s de toujours : de part en part, tu pars à huit heures (mais : quand dort-(t)on ? quand sort-(t)elle ?) ;
- devant un, oui, onze et les mots étrangers commençant par y : des oui ;
- devant les noms de lettres de l’alphabet : des i, des a.

Dans le reste des cas, on peut choisir de faire ou non la liaison mais celle-ci est plutôt la marque d’un langage soutenu.

On distingue par ailleurs deux types de fautes de liaison :
- le cuir qui consiste à faire une liaison en t à la place d’une liaison en z, et plus généralement à effectuer à mauvais escient une liaison en t : Il s’est mis(t)au travail ; J’ai cru(t)apercevoir un écureuil ;
- le velours qui consiste à faire une liaison en z à la place d’une liaison en t, et plus généralement à effectuer à mauvais escient une liaison en z : vingt(z)euros ; les dix-huit(z)ouvrages ; Il est venu aujourd’hui(z)encore ;
Ces deux types de liaisons fautives sont aussi appelés des pataquès.
Par extension, on désigne par pataquès, cuir ou velours toute liaison fautive, quelle qu’elle soit.
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by mariastella | 2011-02-28 04:59 | フランス語
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