最近になって、レオン・ブロワと私には共通点がたくさんあることを発見した。
ジャンヌ・ダルクの本、聖母御出現の本、ナポレオンの本(私はまだ書いていないが準備中。ナポレオンと神についての論考という切り口も似ている)、ヴィリエ・ド・リラダンとの交流があり彼の死後に
「リラダンの復活」という文を書いている(リラダンは私の卒論のテーマだった)。
なぜ急にレオン・ブロワの本を集め出したかというと、新ローマ法王フランシスコが3月14日のシスティナ礼拝堂での最初の説教でレオン・ブロワの言葉を引用したからだ。
レオン・ブロワのことはリラダンとの書簡があるので19世紀末作家としての認識はあったけれど、南米で根強いファンのある人気作家であることなど知らなかった。
カトリックつながりで、レオン・ブロワの洗礼子に当たるジャック・マリタンが1930年代から40年代にかけて南米でアクション・カトリックに影響を与え、ブエノスアイレスなどでレオン・ブルムについての講演をしたことも人気の要因になった。
神秘主義と、貧乏礼賛というか金持ちの憎悪が分かちがたくセットになっているのが南米の風土に合っていたんだろうか。
生活に困窮しインクが足りなくて水で薄めながら高邁な言葉を繰り出していたというリラダンのことも久しぶりに思い出している。 社会カトリシズムの観点からリラダンの短編をもう一度読み返してみなくては。