ロシア連邦の45地域の130都市で行われた調査(« Levada center »の社会学者たちによるもの)によると、フランシスコ教皇がロシア正教のキリル一世を訪問することに好意的な意見が71%にのぼったそうだ。
今はまだその時でないという否定的な意見は9%である。
過半数が、ローマ・カトリックとロシア正教の関係改善が可能だとみている。
これは「フランシスコ効果」なのだそうだ。
なぜだろう。
正教との関係改善はベネディクト16世の頃にすでに良好になりつつあったと思っていた。
思い出すのは、2010年5月のB16の誕生日の折に、ヴァティカンのパウロ6世ホールで、ロシア正教のキリル1世がB16のためにコンサートを開いたことだ。
それに先立ってヴァティカンが「ロシアの文化的霊的な日」というのを催していた。
ロシア国立オーケストラを指揮したのはカルロ・ポンティ(ソフィア・ローレンとカルロ・ポンティの息子)だった。
2012年の8月にはキリル1世が、カトリック国ポーランドを3日間訪れて、ポーランドの聖職者たちと共に和解の宣言に署名した。
冷戦時代の鉄のカーテンが引き裂かれたきっかけの一つがポーランド人のローマ法王に勇気づけられたポーランドの連帯運動だったことや、ロシア正教徒の関係回復が旧ソ連でも重要になっていったこと、今のキリル一世がプーチン大統領を支援していることも含めて、いろいろ感慨が深い。
ベネディクト16世が名として選んだ聖ベネディクトはヨーロッパの守護聖人でもある。
最近は、ある種の外交問題でロシアと中国が足並みをそろえたり、ロシアとヨーロッパが険悪になったりする場面も少なくないので、ロシア正教とヴァティカンの関係がよくなるという展望は国際関係の緊張緩和にとって悪くない。
ロシア正教はその名のごとくロシアのアイデンティティが強いけれど、ローマ・カトリックの方は、今やイタリア離れどころか、ヨーロッパからも離れたアルゼンチン人のフランシスコ教皇がしきっているので、二者の接近はよりグローバルな視点での平和につながるかもしれない。
それが「フランシスコ効果」ということなのだろうか。