シリアの事態を
一体どう見ればいいのか悩んでいたのだけれど、ようやく信頼できそうな情報源を見つけた。
Ignace LEVERRIER という人のブログ
Un oeil sur la Syrie 「シリアへのまなざし」
http://syrie.blog.lemonde.fr/
だ。
フランス語を読める人は直接読んでほしい。
今の情勢を簡略化してみるこんな感じだろうか。
反政府派は、平和的な政権交代を望んでいた。
バシャル・アル=アサド(以下アサド)が戦車や化学兵器など極度な弾圧に出たために事態は内戦化した。
アサドが、組織力を持ち特に反政府的であったスンニー派に的を絞って弾圧したためにかえって宗教的な高揚を招いた。
アサドが不利な状況に会った時にジハディストの囚人を解放した。
彼らはその後イスラミスト・グループのアル・ノストラとして現れ、2013年にはイラクのアルカイダにも合流した。そのことでシリアの内戦は宗教色を濃くしたが、それはアサド政権にとって好都合だった。
メディアを操作して、それまで反アサドに傾いていた世論に懐疑を抱かせるように仕向けたのだ。
イスラミストが敵の内臓をえぐり出して口の中に押し込むというようなショッキングな映像を流すことで、アサド側の大量虐殺の続行を相対化した。
今でも、イスラミストではない当初からの民主主義を標榜する自由シリア軍は存在する。
しかし彼らには軍備がなく、イスラミストと戦うグループと、軍備のあるイスラミストと共闘するグループとに分かれてしまった。
それとは別に、反アサドの民間組織は、民主体制の準備を続けている。
組合や、自由ジャーナリズムを設立し、廃棄物の回収などを実施して、イスラミストの統制に抵抗している。
それは以前には不可能だったことだが、今は少しずつ着実に根を下ろしている。
フランスなどの国が承認した反政府統一組織シリア国民連合はアサドファミリーの撤退を求めているだけでイラクのようにバース党を解体することは要求していない。
しかし、承認国からの軍事援助を得られない国民連合はシリア内で説得力を失ってきている。
フランスでは、彼らのために少なくとも軍事的に制空することで支援しなければならないという声が上がっている。それはリビアへの介入の場合と同じ論理なのだが、利権的にはニュアンスが違う。
ベネディクト16世は武器の提供をはっきり非としたが、フランスで大統領への介入請願に署名した人の中にあのジャック・ガイヨー司教が名が見える意味も考えたい。
ともかく、反政府運動が分断化され、武力と武力では政府軍とイスラミスト軍が戦っているという構図になってしまい、民主化をめざしている最初の「ダマスカスの春」を目指していた人々が窮地に陥っていることは確かだ。
弱者が犠牲になり続けるこの事態はいったいどうしたら収拾できるのだろうか。