雄猫のPyrameと雌猫のThisbe 。
ピラムくんとティスブちゃん。カップルだったのだろうか。
古代ローマの詩人オウィディウスによるラテン文学の名作『変身物語』に出てくるバビロンの有名な恋人たち「ピュラモスとティスベー」にちなんだ名である。
リシュリューはこの2匹がいつも脚をからませて抱きあって眠っているのを見てこう名づけたという。
「ピュラモスとティスベー」はロメオとジュリエットの原作になったとも言われる話で、隣同士に住む美男美女が恋におちたのに父親同士に反対されて駆け落ちの約束をし、ティスベーがライオンに喰われたと勘ちがいしたピュラモスが悲観して自殺、それを見つけたティスベーも後を追い、2人の灰は同じツボに入れられたという悲劇だ。小アジアの河の名にもなった。
くわしくは
日本語のwikipwdiaにも載っているので見てほしい。
でもこのリシュリューが猫を見て連想したという2人の恋人の絵だが、1619年には挿絵つきの本が出回ったというからリシュリューの見たのはそれだろうと思ったのだが、国立図書館のサイトで見られる
原典の画像のはぱっとしない。
ローラン・ド・ラ・イール(1606-1656)というバロック画家でリシュリューが自分の宮殿のために絵を描かせた人がいて、その人の描いたこの
悲劇のシーンはこれ。
この絵がリシュリューの所有していたものかどうかは知らないが見た可能性はある。
リシュリューの死後に描かれたものでは
こういうものがあって、
これはなかなかの迫力だ。
こういうテーマの絵は、先人の構図を継承することが普通だから、どちらにしても、この2作に近いものをリシュリューは見ていて、重なり倒れている2人の恋人の姿から2匹の猫の名をインスパイアされたわけだろう。
悲劇のシーンであるはずなのだが、猫というものは、寒い時こそ丸くなっているが、暑い時は、本当に行き倒れているのかと思うほどばたりとのびて脱力しているので、それが2匹折り重なっていたら確かにこんな感じになるだろうなあ、と思う。
リシュリューって教養がある。一応カトリックの高位聖職者なのに神話にのめり込んでいていいのかね。