大村英昭先生(大阪大名誉教授・宗教社会学者で浄土真宗本願寺派の僧侶)が9月21に亡くなられていたことを昨日知った。
転移性肺がんということだ。
抗がん剤治療もやめてそれでも普通の暮らしをして、この春に筑紫女学園大学長に就任されたというほどだから、まだまだお元気でいれたのにと残念だ。
先生が昨年11月10日のラジオ番組「
こころの時代~「わたし流 理想の末期の迎え方」でお話ししているのをまとめたブログ記事を見つけた。
収録がいつかは知らないけれど、私はその少し前の11月1日に先生にお会いしている。
私たちのアンサンブルの築地本願寺での公演にわざわざ大阪からゲストでいらして講話をしてくださったのだ。
しかも、私の『キリスト教の真実』(ちくま新書)を手にされて、控室でもステージでも「この本ともっと早く出会いたかった」と何度も言われた。
もともと「真宗カトリシズム」説などを唱えるリベラルな方でフランスの社会学者デュルケムの研究でも有名なので、フランス風の考え方に親しまれていた。
こういう自由な立ち位置の方は、教条主義的な立場の人たちとは確執もあったと思うが、最後まで若々しく精神の自由と躍動をみなぎらせていたことはすばらしい。
こんな方に愛読者になっていただいたことには本当に力づけられる。先生の信頼を裏切られないような仕事を続けたい。
私が築地本願寺でコンサートをすることになったのもそもそも仏教系の雑誌での「死生観」のインタビューがきっかけだった。
大村先生は「諦観」を説くが、単に仏教者らしく執着を離れ去るというわけではない。
「諦めることに意義を素直に見つめて欲しい。諦めることは絶対に必要」なのは、
「色々なものを諦めて、2年間で出来ることを整理して、事業仕分けした。すると自分が歩んでいく道がストンと分かった。」ということで、
残された時間を延命やら治療やらのサバイバル戦場にするかわりに自分にとって大切なものを優先して生きる決意と関わっている。
その貴重な時間を私の本や私との出会いにあててくださったことにあらためて感謝の念がわく。
合掌。