サイトの掲示板で、「(日本の)国全体が巨大な強制収容所もしくは刑務所になると思います。よくいっても奴隷制度。」などと今の情勢を嘆くコメントが寄せられた。
日本では「戦争法案」が通過して、戦争に行きたくない若者、子供を戦争にやりたくない母親、などの抗議は通じなかったわけだけれど、フランスでは別の意味で全く逆の気味の悪い現象が起きている。
フランスでは今世紀に入って徴兵制が廃止されて職業兵だけになった。
普通の町にも軍隊のリクルートの事務所が見られる。
で、今年初めのシャルリー・エブド襲撃ととユダヤ・スーパーの人質事件以来、この入隊志願者の数が40%も増えたというのだ。
どのポストもほとんどは年齢制限が29歳だというのに、40代、50代の志願者もいるそうで、そんなことは今まで例がなかったそうだ。
要するに、多くの人が「対テロ」の戦いに挑む気が満々なのだ。
これは具体的なある国家との戦争では見られないことで、テロリストとの戦争は、「悪を征伐する」という分かりやすい大義があるからみなが勇んでいくらしい。
そう言えば、シリアやイラクでイスラム国と戦う勢力に合流するボランティアの私兵というのもいて、時々メディアに出てくる。違法なので身元は明かされない。自費で行くのである程度経済力もある壮年が多いように見える。
よく日本では、「戦争ができる国」にすると言っても、実際に戦争に行って死ぬのは政治家や政治家の子供たちではなくて、貧しい若者が«使い捨て»にされるのだからよくない」ともいうけれど、「やる気満々」の兵士がどんどん出てくるフランスってなに? と思う。
少なくとも、その一部の人のメンタリティは、イスラム国の「聖戦」の大義に賛同してシリアに向かう人々のメンタリティと重なっているような気がする。
それにしても、若者が神のためだの民主主義のためだのに立ち上がるハードルが低い気がする。
これは、生き難い若者がうちに引きこもる日本と、外に出て暴動を起こすフランスとの違いにも通じるのかもしれない。
日本では「安保法案」以来、自衛隊からの脱退者が増えているという記事を目にした。
「災害救助隊」なら残ってくれるのだろうけれど。
フランスには大昔からIDカードや保険証の認証番号があるし今はデジタル管理されているわけだけれど、それ自体が議論の対象になることはほとんどない。
フランスと日本では怒るところとか不安になるところとか、煽る場所とか、情緒の琴線とかがかなり違うとは前から思っていたけれど…。
まあ、イスラム国に関しては、大量移民の現実も含めて、フランスと日本では危機感が違うのは当然だろうけれど。でも日本でも南シナ海とか近辺での危機を煽っている人たちもいるので他人事とは思えない。