フランシスコ教皇とロシア正教のキリル総主教、ハバナの空港で3時間の会見が予定通り実現した。
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正教風の木の十字架を挟んでのツーショット、彼らはずっと互いの目を見つめ合っていた。
「私たちは兄弟です」
互いのプレゼント交換も注目。
フランシスコ教皇からはキリル総主教の守護聖人である聖キュリロスの聖遺物。
これって、スラブ語聖書のためのキリル文字の原案に関わった9世紀の聖キュリロスの聖遺物 ?
ヴァティカンが所有していたのか ? 調べてみよう。
ロシア正教からは
「カザンの聖母(正教風に言うと生神女)」のイコン。
これはロシアの守護聖女で、16世紀に奇跡的に発見されたといわれるもの。
その後盗難だとか、ロシア革命によって外に出た後でカトリックによってポルトガルのファティマに納められたとか、共産党による売却とか、ポルトガルからの返却を断ったとか、2004年に結局返されてクレムリンに収められたとか、いろいろな説や経緯があって、今回のものがそのどれに当たるのかよく分からない。
数々のコピーも有名で、コピーに力があるのは「ルルド」などと変わらない。
聖人崇敬、特に分裂以前のギリシャ教父たちへの崇敬、聖母崇敬、などの伝統がしっかり共有されているカトリック、正教、聖公会あたりは、このような贈り物外交を工夫することでもシンボリックな「一致」を表現できて便利だ。聖遺物崇敬も共通している。
こういうツールを温存しておいた意味があるというものだ。
そして、それはキリスト教内の一致、よりはるかに重大な21世紀の政治、外交、戦争と平和の問題に影響を与え得る。
特にフランシスコ教皇やキリル総主教のようなトップがいる場合は、期待がふくらむ。。