これは
「フランスとイスラム その4」からの続きです。
フランス国内の過激派にとって強力な味方とはCCIF(Collectif contre l’Islamophobie en France)というフランスにおけるイスラモフォビー(嫌イスラム)を告発するグループだ。
もとは、エジプトでのベースを失ったムスリム同胞団のコアはトルコに移ってきていたが、彼らにとってもヨーロッパは格好の戦略目標に映った。
七三二年にポワティエの戦いでシャルル・マルテルに阻まれてピレネーを越すことができず、その後レコンキスタによってイベリア半島からも撤退し、一六八三年には第二次ウィーン包囲でヨーロッパの神聖同盟に破られて、領土の割譲を強いられたイスラムにとってヨーロッパへの進出の三度目の正直が二一世紀の今だ、それは武力でなく説教による改宗への導きだから成功するだろう、と衛星テレビ「アルジャジーラ」で語ったのはムスリム同胞団のユセフ・アルカラダウィだった。
そのためには、ヨーロッパのムスリム共同体に働きかけて、彼らを「侵略者」ではなくて「犠牲者」に仕立て上げることが必要だった。
ISによって植え付けられる「攻撃者としてのイスラム過激派」のイメージを逆転して、ヨーロッパのムスリムは非ムスリムによる差別の犠牲者であるという演出がなされる。
その成功例のひとつが2016年夏のニースのテロに引き続いて起こった「ブルキニ」事件であった。(続く)