フランスの大統領選、日本のいろいろな疑獄やスーダンからの自衛隊撤退や、中東、ヨーロッパの状況、アメリカのこと、なんだか毎日耳に入る情報が騒然として、今一番忙しい時期なので日仏情報を除いてできるだけ考えないようにしている。
一週間後のコンサートで弾くラモーの7曲(うち3曲は今回がはじめて)、ヴィオラでバッハ2曲とベートーヴェン1曲、ピアノとギターで伴奏、など、いくら私でも毎日さらわないと責任問題なので時間を取られるうえに、ようやく脱稿した新作を添削、推敲しなくてはならない。コンサートの翌日には日本に出発だからだ。
それなのに、韓国大統領の罷免のニュースには驚かされた。
私が継続して読んでいる日本のサイトやブログのライターさんの視線に影響された目で見ると、第一印象は、「わあ、韓国(の民衆や憲法裁判所)ってかっこいい」と思っていた。政治家の権益をめぐっては司法との癒着もふくめて、あれこれあやしいことがあるのは日本でもフランスでもどこでも同じだろうけれど、韓国の憲法裁判所が、
「国民から直接民主的正当性を与えられた被請求人を罷免することにより得られる憲法守護の利益の方が、大統領罷免に従う国家的損失を圧倒するほど大きいと認められる。」
というなんて、なかなか潔いというか、覚悟のほどがうかがえるなあ、と思ったのだ。
でも、この罷免運動の後ろから糸を引いている勢力の噂のことも前から耳にしていたし、なんとなくもう少し別の視点から読んでみたくなって、ネットに淫しないように気をつけているのに、つい、ずいぶん久しぶりにシンシアリーさんのブログを除いてみたら、
弾劾についての個人的見解というのがあって考えさせられた。
見ると、韓国の歯科医であるシンシアリーさんは、『韓国人による北韓論』という新刊を出したところだそうで、そこで金正男さんの暗殺事件についても書いているようだし、なんと、日本に移住することを決めたということだ。
この人が何歳くらいの人かも知らないけれど、日本のカルチャーファンで、日本でこれから第二の人生を、と言っているのを見ると、もし私が彼の母親だったらどう思うだろう、などと考えてしまった。
この人が韓国を「見限る(?)」のだとしたら、なんだかそれはこれから「朝鮮半島」に起こる大激震の前触れのような気もしてくる。どのみち、このままの状態がずっと続くとは思えない。
中国、北朝鮮、韓国、地続きなのは確かに脅威があり、ミサイルの届く圏内でも、海があるだけで日本での危機意識は全く変わるのだろうか。ユーラシア大陸で韓国の全く反対側にいる自分自身の「体感」についてもあらためて考えさせられた。