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『アエラ』のマクロン記事にびっくりフランスの大統領選についての日本語の記事を偶然、ネットの雑誌記事で見て驚いた。 日本の個人のブロガーなどが的外れなことを書いていても別に気にならないけれど、アエラって朝日新聞社の雑誌じゃなかったっけ?(5/22号 p58-59) しかも、編集部とライターの署名記事。 突っ込みどころが多すぎる。 タイトルからして 《「ナチスの教訓」が勝った》 というのだ。 ドイツじゃあるまいし、フランスが極右を排除しようとするのは、口をそろえて「共和国精神に反する」からで、この建前だけは、なかなか外せない。 そしてサブのテキストが 「仏大統領選で有権者が選んだのは、同国史上最年少の大統領となる元銀行員。」 だって。 「銀行員」!! 政治家として官僚として最高のエリートのグラン・ゼコールを出た人なのに。 「銀行」と言ってもロスチャイルドの投資銀行に3,4年いて大口の買収を成功させて何億ユーロと稼いだ人。 その後、大統領の特別顧問、経済相になった男を「元銀行員」。 フランス語を本気で読み違えているのだろうか。「元銀行家」ならまだしも・・ >>無所属の「泡沫候補」でしかなかった人物<< に期待が託されたのはまるでトランプ選出を見ているかのようだ、だって。 マクロンは社会党に属して大臣だった頃にすでに自分の団体を立ち上げて気勢を上げていた。 若いし確かに最初はまさかとは思われたが、知名度では「泡沫」どころではない。 「グローバリズムへの反発」が起こって、「傍流が主流になる選挙」だとも書いてある。 メランションが勝ったならそう言えるけれど、マクロンはグローバリズムの勝ち組で推進者だ。 「かろうじてEUに残ることを決めた有権者たち」 というのもおかしい。もともとEUに入ることをフランスから拒否されていたイギリスが抜けたこととはまったく意味が違うし。 記事の下のコラムもひどい。 例によってマクロン夫人のことで、まず、 「超・年の差婚」にも寛容な大人の国ですが… というキャプション自体が不愉快。こんなところに「寛容」という言葉を使うのも嫌だ。 「高校生だったマクロン氏が、高校教師だったブリジットさんを前夫から奪った略奪愛。」 という解説も不愉快。女性は前の所有者から「略奪」されるものなのか。 >>7人の孫を持つ女性とは思えぬ美脚が自慢で、レザーパンツやミニスカート、ハイヒールがよく似合う。 微塵もコンプレックスを感じさせない熟女の星だ。 日本では「母のくせに」「妻のくせに」となどと非難されそうなものである。<< これもひどい。孫は自分で生むのではないから年のとり方とは関係がない。 コンプレックスを感じさせないところが「熟女の星」だなんて。 彼女は、インスタグラムにアップしようと高校の屋上で危険な写真を取っていた生徒数名が停学処分になった時に、彼らを負傷者のいる病院でボランティアで働かせることを提案したという。ほんとうに怪我をした人たちとその周囲の人たちがどういう状態になるのかを知らせることが最も教育的ではないかと考えたからだ。障害のある生徒にも積極的に関わってきた。 先日、娘のインタビューを聞いても、非常に好感が持てた。 私はシカゴ学派の別名のようなグローバリズムはフランスの「共和国主義」と伝統的な社会民主主義路線に反すると思っているので、マクロンのやり方そのものには賛同していない。 でも、アエラのこの記事の的外れ具合とコメントを見て、ショックを受けた。 コラムも署名記事で女性のライターのようだ。 こんなのでいいのか、日本?
by mariastella
| 2017-05-15 05:37
| フランス
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