週末の結婚披露パーティでの新郎の父のスピーチのことを昨日書いたが、新郎のスピーチにも少し触れると、
彼は
「今日は特に数字をひとつ挙げたいと思います。それは66です」
と言った。
666なら黙示録の悪魔の数字?かと思ったけれど、すぐに説明が続いた。
まず、フランス大統領選でマクロンが獲得した66%の数字。
そして、アメリカのトランプ大統領の不支持率。
だそうだ。
で、最後は、自分たちは3度の披露宴をやるので、2度目の今日が終わったところで、3分の2が終わるので66%だという。
66.666・・・%という気もするが。
カップルはもう数年前からロンドンで暮らしていて、去年の暮れにボストンに赴任が決まった時に、グリーンカードの取得ができるようにと、11月にロンドンで結婚式を挙げて1度目の披露宴もやったのだ。
で、今回がフランスでの披露宴、来年の夏がカナダ(モントリオール)での披露宴と決まっている。
3度とも出席する人もいるようだ。
新郎の両親は、アメリカの大学を出た母親とフランスのビジネススクールを出た父親がカナダの大学院で出会って結婚した歴史がある。両親が中東に赴任した時に息子がモントリオールの大学に留学してその後でボストンのMITで博士号をとった。
国籍もフランスとカナダとの両方を持っている。
で、息子(新郎)のスピーチの最後は、
「今日は聖ヨハネの祝日です」
ということだった。
なるほど、再々従弟のイエスよりも半年前に生まれた洗礼者ヨハネの誕生日はクリスマスより半年早い6/24だ。
グレゴリオ暦でずれが生じていて、昔はこれが夏至と冬至に当たっていた。
日照時間が一番長い日と短い日が「太陽神」の儀礼の日となっていたものを、キリスト教化するために、イエスとヨハネの誕生日にあてたのだ。
で、カナダのケベック州では、17世紀の初めからフランス人がこれを広めて、1834年からはケベックの国家祝日(フェット・ナショナル)となっている。つまり、ケベックのアイデンティティと結びついた最大のお祭りなのだ。
ちなみに新郎も新婦もカトリックの洗礼を受けているが、カトリック教会での結婚式はスルーしている。
私はこの「新郎」が26年前に「コミュニオン・ソロネル」(初聖体ではなく、フランスでは11歳くらいでやる教会の行事で、まあ「元服」にやや近い通過儀礼の一種)のパーティをやった時、当時すでにルイ・ロートレックらと組んでいたアンサンブルでコンサートを担当した。その時も100人くらいは集まって3日くらいかけたパーティだったけれど、もちろん両親が全面的にオーガナイズしていた。
パーティを盛り上げるコンサートだったので、バロック曲でなくほとんどがポピュラー曲やラテン・アメリカの曲だった。
今の私のトリオのMも加わった6人のアンサンブルで、食事や滞在や観光もついたいいアルバイトになっていた。
トリオのHはまだ学生だったのでその時のメンバーではなかった。
その時の少年は、翌年、父親と共にベルギーに引っ越して6年を過ごしてから単身でモントリオールで学んだのだ。
ベルギーのリセ・フランセでは最初ドイツ語を第一外国語にしていたのを途中で英語に変えていた。
その少年が、ボストンに住み、「新郎」になって故郷に戻って英語とフランス語でスピーチをしているのかと思うと、不思議だ。彼の親の世代はみな白髪となり、同世代は世界を動かしている。
私はあいかわらずアンサンブルをやっている。