(これは前回の続きです)
今回の展覧会は、教会ではたいてい暗くてはるか高いところにある数々の絵を身近でけれども雰囲気を壊さない環境展示風の工夫のある空間で観ることができたのはとても興味深かった。
けれども、特別展示会場を出て、常設展示を見て軽くショックを受けた。
常設展示は何度も見ているのだけれど、「啓蒙の世紀」からフランス革命とナポレオン時代を経た19世紀にはすべてが変わってしまったのだなあという衝撃だ。
社会派自然主義の数々の絵、クールベの絵を見るとテーマ自体の落差に驚くが、
宗教テーマの絵にしても、ギュスターヴ・ドレの大作が2点あって、『涙の谷』で十字架を背負って歩くキリストの遠景の光にはカルチャーショックすら覚える。
さらにシスレーやドガやモネの印象派の展示に進んでいくと、いったい何が起こったのだろう、と思ってしまった。
「啓蒙の世紀のバロック」の宗教画が人間性の深みに降りていこうとしているのに引きずられていた直後に印象派の作品を見ると、人は被造物の立場から「創造者の秘密」に迫るのを辞めて、「創造の秘密」に迫る試行錯誤を始めたんだなあ、と感慨を覚える。