問1 なぜパラダイスは上にあるの ?
多くの文化で「善」に向かって進歩していくことと「天に上る」ことはセットになっています。そのせいで、パラダイスは天にあることになりました。縦方向のシンボル性がとても強いです。神が十戒を記した板を渡したりイエスが訓示を垂れたりしたのも「山の上」ですね。と言っても、「彼岸」「あちらの世界」が地獄だの天国だのという空間で表現されたとしても、それは物理的な場所ではありません。
Sekkoのコメント
うんうん、やはり人間が空を見上げた時の広大無辺な感じが「あちらの世界」をイメージさせるのかも。阿弥陀来迎図も雲に乗ってやってくるシーンだし。
でも、死者の国が「水平線の彼方」にあるという信仰もあり、それもナチュラルな感じはする。今村昌平の「神々の深き欲望」で南海の孤島から沖に流される小舟のシーンは強烈で「海の向こう」の死者の国というイメージが焼きつけられた。
死者の国は地下にあるという道教的イメージを教えてくれたのは私の『ヨーロッパの死者の書』(デジタル版で読めます)を訳してくれた台湾の潘さんだった。そこは別に地獄でなくて死者が生前と同じように暮らしているのだとか。日本留学中に故郷のお父様を亡くして、そういうパラレルワールドでは「喪」が完成しないで悩んでいた時に私の本と出合って翻訳を決意したという話だった。
亡くなった親しい人が「お星さまになって見ているからね」、と言ってくれるイメージは一番心やさしい気もする。(「完成に向かって上昇していく」なんていうイメージは少なくとも私にはない。)
注: これはカトリック雑誌(La Vie 2008/10/30)を訳出したものですが、読むと同時に訳しているのでそのまま先に書いているあることは分からないままのコメントです。