L'art de croire             竹下節子ブログ

籠池夫妻、原発セールスのマクロン、ガンジー、フクシマ

これを書いているのは311日。


加賀乙彦の『宣告』を読んでいるので、刑務所に収監されている人たちの心身状況のことを思わざるを得ない。フランスでも、刑務所の過剰収容や老朽化、いろいろな問題が山積みだ。『宣告』はかなり前の話なので今の日本は知らないけれど、フランスでは囚人がどういうわけかスマホを持っていて待遇について撮影したり録画したりしたものをSNSで流すという事件もよくある。刑務所でのイスラム過激派による「洗脳」をどう食い止めるかという問題もある。

人権について少し考えても、つい最近でも、沖縄平和運動センター議長の山城博治さんが拘束中の冬に警察が靴下の差し入れも認めなかったこととか、息子さんがお母さんの心身状態が限界にあると心配して訴えている籠池夫妻の不当拘留は現在進行形の話だ。


フランスではマクロン大統領がインドにビジネス旅行?に行って、モディ首相と文字通りべたべたしていたのが印象的だった。BREXITのイギリスはもはやヨーロッパを代表していないからフランスに乗り換えなさい、とアピールしているが、インドはなんといってもクリケットをする国だからなあ。

しかも、マクロンは、二つの最新式原発プラントを売りつけることに成功したらしく、ほくほくしていた。原発プラントを売る国は核兵器だって売ることができるような気がする。

ああ、インドは核保有国だった。


核ではなくても、たとえば、ヨーロッパで公害の原因になることで規格外となったディーゼル車が大量にアフリカ大陸に輸出されている。ベナン共和国のポルトノボに毎日すごい数のヨーロッパ車が到着して、首都はすごく渋滞していて、公害も深刻になっている。

そういうのを見ていると、くらくらしてくる。


国際関係の「大人の事情」はみな金と権力なのだ。


そういえばマクロンも今年が死後70周年だったガンジーの墓に詣でて賛辞を述べているけれど、今にして思えばガンジーも、時代と伝統の偏見から逃れなかった人だなあと思う。

13歳かなんかで、当時の習慣通り見合い結婚、そういう年の少年だからもう性欲のとりこになって、14歳くらいで、死の床にある父を看取ることも忘れて妻と何時間もむつみ合って死に目に会えなかった話など有名だし、よくよくテストステロンのレベルが高い人だったのか、苦しみ続け、37歳かなんかで禁欲を決心、でもその後でも禁欲度をテストするために(?)姪たちを含める若い女性たちを床に侍らせたり、男性と関係を持ったラブレターを残したり、「ハンガーストライキ」で枯れ枯れのイメージとは対極のテンションの高い人だったようだ(だからこそハンストも過激で断固としたものだったのかもしれないけれど)。

息子4人のうち、長男はイスラム教に転向してアブドゥラ・ガンジーとなった。こんな桁外れの父親をもった息子もいろいろ大変だったのかもしれない。今の感覚からすると奥さんも気の毒だ。


日本の3.11から7年ということでフランスでもテレビや新聞が「フクシマ」を取り上げた。ロックスターのように人気のある元首相が原発反対をフランスにも訴えている、まず自国の現首相を説得したらどうだ、などという記事もあったらしい。

津波による打撃とその後で復興に向かう地域の被災者の苦労と、原発被害による避難地域の被災者の苦労は年を経るごとに明らかに違ってくる気がする。家が倒壊した被害と、倒壊していない家や街からそのまま逃げなければいけなかった被害とでは、後者の二次被害が深刻でいわゆる災害関連死の実態が見えにくい。


いろいろな理由で東京オリンピックを盛り上げている人たちにとっての「フクシマ」や沖縄の「遠さ」は、距離ではなくて質的なものなのだろう。


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by mariastella | 2018-03-14 00:15 | 雑感
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