5/19
夕方のニュースは、トップがロイヤル・ウェディングで、フランスらしく、ウェディングドレスはフランスのブランドのジバンシィ(でもデザイナーはイギリス人でメ―ガンと二人で決めた)、イヤリングとブレスレットはカルティエだった、と嬉しそうに報道していた。
ドルドーニュのある村でイギリス人コミュニティがあって彼らがカフェで結婚式の様子を皆で見ながら感激で泣く人もいた様子も映される。
アメリカからメーガンが呼んだプロテスタントの牧師がマルティン・ルター・キングの名を何度も出しながら、トランプ批判とも聞こえる熱弁を振るう様子も。
政教分離のフランスでは考えられないですね、とフランス人のコメンテーターが言うと、同席のイギリス人が「イギリス国教会は世界で唯一神を信じなくてもOKの教会ですから」などと言っているのもおもしろい。
ヨーロッパと「離婚」状態になったイギリスとアメリカの結婚みたいですね、しかもカリフォルニア出身で混血となればまさに移民国家アメリカのシンボルで、コモンウェルスの全ての国にとっても朗報です、とも。
突っ込みどころがあるような、ないような・・・。
二番目のニュースがキューバのボーイング機墜落、三番目がテキサス州の高校の銃撃事件。
アメリカではこのケースなら17歳でも死刑になる可能性があるとか、この少年は無神論者(教会に所属していないということだろう)で非政治的だった、とかいう解説で、これもなんとなく、日本ではスルーされるのかもしれないとも思う。
カンヌ映画祭のパルム・ドールに是枝裕和監督作品が選ばれたというニュースも伝えられた。
是枝作品で今フランスでも上映中の『the third murder』は、この前、日本に行く機内で観たところだ。
父親と娘の関係の強調と重層が少しうっとおしいけれど、役所広司の演じるつかみどころのない多重殺人者のインパクトが大きい。
でも、私はまだ加賀乙彦さんの『宣告』を引きずっているんで、主人公にこれからが大変なんだよ、と言いたくなる。
「私はいつも真実しか語らない、たとえ嘘をつく時でも。」
というのは『スカーフェイス』の中でアル・パチーノが言うセリフなのだけれど、証言をころころ変えて弁護士を泣かせるこの「犯人」にぴったりだという気がした。