2016年に松江と出雲に行った時、ユニークな立ち姿の狛犬を見て、それに関する文書を見つけて読んだことがある。「大社の史話」25.9 第176号の中の「大社の狛犬(藤原慧)」という記事だ。いわゆる「お座り」型ではなく、勇み獅子とか出雲かまえ獅子とかいうもので尻を突き上げた姿は、これが「犬」ではなく、ネコ科の獅子だなあと思わせるものだった。
沖縄ワールドの歴史博物館で世界の獅子像の展示があった。
ここでは「親子モノ」に興味がわいた。
母子なのか父子なのか?
獅子の親子、と言えば頭に浮かぶのは「連獅子」の親子の踊りとか、そのもとになる「子は我が子を千尋の谷に落とす」とかいう言い回しだ。
歌舞伎の鏡獅子は父子と決まっているが、生まれて三日目の子を落とす、というのなら、それは母獅子の役目のような気もしないではない。
でも沖縄で観た親子獅子たちはみんなとても人間味がある。
これは「千尋の谷」落としなのかもしれないが、なんだかじゃれているようにも見える。
単独の獅子でもこんなユーモラスというかペーソスを感じさせるものがある。
勇壮というのとは程遠い。猿みたいだ。これでも「魔除け」になるのだろうか?
「獅子」という「猛々しさ」のシンボルへのイメージの託し方が興味深い。
これは沖縄の珊瑚による作品。迫力がある。
これも沖縄の石灰岩の作品。こっちはやはり「ネコ科」っぽい。