---2024年のパリのオリンピックですが、手を挙げたのはパリだけという結果になりました。
膨大な工事を必要とし、赤字のリスクをおかしてまで開催するような巨大スポーツ大会は採算が合わなくて将来的に消滅することにならないでしょうか?
JMB :世界的な経済危機の中で、オリンピックのような巨大スポーツ大会を開催できるような都市は少ないでしょう。高くつきすぎます。
プロモーターたちはそれがインフラを整備させ、雇用を促進し、観光客も誘致できるなどと説明します。もちろんそれは真実ではありません。ロンドンでもアテネでも大きな赤字に終わりました。
フランスでもすでに当初の予算をオーバーしています。工事を続けるには増税が必要でしょう。フランスが売りつけている新型原子炉EPRと同じです。予算が限りなく増えていきます。
とはいえ、「資本主義の最終危機がすべてを正常に戻す」などと思っていません。そんなことは150年前から言われていました。
必要なのは、知的で説得力のある批判を展開できて、実際に社会を変革することのできる政治的体制的な道をつくることです。
今の問題は、スポーツ批判を掲げて抗議することのできる政治的な動きが全く見られないことです。共産党も社会党も、オリンピックを、市民の祭典、エコロジーのモデルにしようなどと言っているのですから。(終わり)
Sekko :ネットで読むGQ9月号p88の内田樹さんの時事問答の中に、「東京五輪が果たして開催されるかどうか、僕はけっこう不透明だと思います」とあった。電通の仲介でシンガポールのダミー起業に日本の招致委員会から2億3000万円が振り込まれたのが「買収」だと公式に認められたら、五輪憲章違反だから開催前日でも取り消し可能で、その損害に対してIOCは一切責任を負わないとかで、開催中止リスクを抱えたまま準備が進行しているのだとか。
カタールのワールドカップ招致における「買収」問題はたしか9月に最終判断がなされる。普通は夏と決まっている開催の季節までさすがに金の力で冬に変えてしまったくらいだから、やはり、「合法」より「金」の力が強いのだろう。東京五輪も、世界中がひそかに崇拝している「金」という一神教の前では、「憲章違反」なんて風に吹き飛ばされる。
どちらにしても、これから、東京五輪に関する言説と、パリ五輪に関する言説を比べていきたいと思っている。
日本とフランスのようにメンタリティが異なる国が、「スポーツ万歳」のグローバリズムでどこまで似たような言葉を発するのか、どのようなニュアンスの違いがあって、どのような反対意見があるのかを観察することで、実はもっと深刻な何かを探り出したい。