ヴェズレーから数キロ離れた小さな村サン・ペールは、最初にヴェズレーにやって来たベネディクト会の修道院の分院もあったところだ。もう何も残っていないけれど、ここにはゴシック大聖堂のミニチュア版のようなノートルダム教会がある。13世紀から15世紀にかけてのブルゴーニュの建築技術の粋を極めた傑作だと言われている。
村の入り口に巨大樹の木陰にテラス席が広がるレストラン。
村の中心に向かうと、教会の尖塔の十字架が見えてくる。
全貌が見えてくる。
古くて黒ずんでいるけれど風雪に耐えた感じのファサード。ここもヴィオレ=ル=デュックが修復した。
小ぶりなので、「子持ち風ガルグイユ(ガーゴイル)」もすぐそばに見える。
中もゴシックのカテドラル仕様。
ラッキーだったのは、その日のコンサートのリハーサルを聴けたことだ。カウンターテナーを中心としたアンサンブル・セラドン。
その日のタイトルは「DEO GRATIAS ANGLIA」。
コンサートの曲目は、13世紀から15世紀にかけてのブルゴーニュの作者不詳の典礼音楽とイギリスのキャロル音楽の組み合わせだ。
時は英仏百年戦争、ブルゴーニュ公国はイギリス側と連携していた。
で、イギリスの民衆舞曲が教会音楽に転化したものが混ざっている。
もともと教会の祝祭行列で使われたようで、鈴を振りながら歩いて歌う。その動き方と音の響き方を試行錯誤しているところ。
変化に富み、非常に魅力的で、ナイーヴさとバイタリティが同居している。
アンサンブルのメンバーと話ができたのは、コンサートを聴きに来たよりありがたかった。
ノートルダムを出てシェール川を渡る。
木靴(サボ)職人の店があるのも、まるで中世のテーマパーク風。
川を渡ったところから教会を見る。
川のせせらぎに癒される。
音楽が、どこにでも、ある。
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