人気ブログランキング | 話題のタグを見る

L'art de croire             竹下節子ブログ

アニック・ド・スゼネル その1

『神とフェミ』(仮題)のために、旧約聖書の創世記をヘブライ語でちゃんと検討しようと思うが、ヘブライ語はアルファベットの読み書きしかできない。けれども、フランス語では、アニック・ド・スゼネルという強い味方がいる。彼女の『Le Féminin de l’être』はまさにバイブルだ。彼女の『人の体のシンボリズム』はもうずいぶん前に読んだけれど、創造における女性性を三つに分けて考えるこの論考は刺激的だ。

アニック・ド・スゼネル その1_c0175451_22111707.png
             

その彼女が95歳でまだお元気であり、これまでたどった道についてインタビューを受けている記事を見た。(La Vie No.3814)とってもすてきでユニークなので、少しずつ紹介していくことにする。(意訳です)

>>1922年、第一次大戦後の平和の希求とルサンチマンの醸成とエゴの解放という空機の中でカトリックの強いブルターニュのレンヌに生まれた。幼い頃からこの世は不条理でばかげていると感じていた。まるで、みんなが耳をふさいでいるような世界だと思った。聖書の箴言(25,2)には

ことを隠すのは神の誉れ/ことを極めるのは王の誉れ。」とある。

洗礼を受けた人はみな、預言者となり、司祭となり王となるように招かれているのではないか?

彼女は生まれた時から神に出会った気がする。それが95歳の今にして思うことだ。

小さい時から神と神の言葉を切望していた。隠れているものを見つけたかった。

司祭さんに何度も「どうしてヤコブは脚を引きずったのか、どうしてサムソンの髪は切られたのか」などと聞いたけれど答えてもらえなかった。

「そのとき、イエスはこう言われた。『天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。(マタイ福音書11-25)』ということに通じる。

彼女がミサに出た時の聖霊を感じる喜びは、第二バチカン公会議以前の閉鎖的な教え方のせいですっかり曇らされた。20歳で教会を離れた。


Sekko:

この中で、ヤコブが足を引きずったというのは、天使と戦った後の話です。

創世記32,25以下にこんな記述があります。

>>ヤコブは独り後に残った。そのとき、何者かが夜明けまでヤコブと格闘した。

ところが、その人はヤコブに勝てないとみて、ヤコブの腿の関節を打ったので、格闘をしているうちに腿の関節がはずれた。

「もう去らせてくれ。夜が明けてしまうから」とその人は言ったが、ヤコブは答えた。「いいえ、祝福してくださるまでは離しません。」

(…)ヤコブがペヌエルを過ぎたとき、太陽は彼の上に昇った。ヤコブは腿を痛めて足を引きずっていた。

こういうわけで、イスラエルの人々は今でも腿の関節の上にある腰の筋を食べない。かの人がヤコブの腿の関節、つまり腰の筋のところを打ったからである。 <<<


ユダヤ教やキリスト教に縁が薄い人には、「え、何のこと?」と意味不明ですが、あるフランス人のラビ(Rav Ron CHAYA)の解説を読んでびっくり。


天使はヤコブが子孫を残せないように生殖器をつぶそうとしたのに手元がくるって腿の関節を打ったのだ、で、朝までヤコブはあしを引きずった。朝とは救いの光、律法のシンボルであるヤコブは救いに至るまで闇の中の試練に耐えなければならない、という答えでした。

突っ込みどころが多すぎて、ますます分かりません。ヤコブはその時点ですでに妻も側女も11人の子もいたのだから、今さら子孫を残せなくとも・・・とか、そもそも天使が人間相手に負けそうになるとか攻撃を失敗するとか・・・とか。腰の肉を食べないとか…。


うーん、でも、昔のカトリックでは信徒に聖書を読ませずに、聖人伝とか説教集しか読ませなかったという意味が分かる気もしますね。

「昔の人」でも「子供」でも、聖書を読めば疑問だらけになるタイプなんていくらでもいたということです。21世紀の今でも創世記を文字通りに信じている原理主義の人たちがいるからといって「昔の人」や「子供」をあなどってはいけません。


(続く)


by mariastella | 2018-10-16 00:05 | 宗教
<< アニック・ド・スゼネル その2 宗教施設?と講演やコンサート >>



竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
以前の記事
2026年 03月
2026年 02月
2026年 01月
2025年 12月
2025年 11月
2025年 10月
2025年 09月
2025年 08月
2025年 07月
2025年 06月
2025年 05月
2025年 04月
2025年 03月
2025年 02月
2025年 01月
2024年 12月
2024年 11月
2024年 10月
2024年 09月
2024年 08月
2024年 07月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
カテゴリ
検索
タグ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧