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L'art de croire             竹下節子ブログ

アレクサンドル・ジョリアン その9

(これは前の記事の続きです)

>>>ということは、依存症というような深刻な問題についても、なんとしても解決したいと望まないことを受け入れるということですか ?

A.J. 二つの落とし穴があるといえます。一つは、あきらめてしまうことです。「もう駄目だ、絶対に無理だ」と。

もう一つは、意志の力で自分を変えることができると信じることです。どちらかに落ちることなく真ん中の道を行くのはすばらしい。私がある人物に完全に依存していた時、この尾根の道で、ある意味で「恵み」にすべてをゆだねるとはどういうことかが分かった気がします。誰かに全面的な依存状態にある時、何か自分を超えるものに自由に自分をゆだねきる、自立した自分の力というものではどうしようもないと認めることの可能性が垣間見えるのです。チベットの僧の教えには助けられました。彼は「治療法などない。合理的な説明もできない、苦しみは存在の一要素であり外部にその解決を求める限り、根本的な健康に至ることはない」と言ったのです。

Sekko : 信仰は神への依存症の一種ってこと ? まあ、生身の人間に依存するよりは、「神のみ旨にすべてをゆだねる」みたいな状態にいた方がいいだろう。 確かに、苦しみの中でだれにも頼れないと、絶望という落とし穴にはまって出てこれなくなったり、なんでも自分で解決しようとがんばって燃え尽きたりという落とし穴に落ちるかもしれない。でも、こんな境地に至ったようなジョリアンの依存症というものをもっと知りたい。

よく、苦しみの中で、「神さま、助けてください」とか、「神がいるならどうしてこんなことを?」「神も仏もいるものか」という言葉が発せられるけれど、それはまだ「神さま」を対等な「相手」ととらえているわけだ。「神=恵み」について理屈を超えた完全な依存症状態になる方が楽、というのは理解できないでもないけれど、それっていわゆる「悟り」とは似て非なるものなのか、一種の悟りなのかどちらなんだろう ?

(続く)


by mariastella | 2018-11-01 00:05 | 哲学
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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