12月のはじめは、屋外のいわゆるクリスマス・マーケットでなくても、あちらこちらで小規模な展時即売会がある。友人のアーティストが出品するものに毎年行くのも楽しみだ。
私のうちの近くでも、画家や陶芸家の展示即売会がある。アーティストの中には私の歴代のピアノの生徒の親も少なくない。
で、この前、駅の帰りに寄ってみたら、それはいつものやつではなく、手芸品だった。ほとんどが年配の女性で、刺繍や編み物作品ばかりだ。自分が若い頃は、こういう作品はご年配の方のものばかりだなあ、という印象だったけれど、今は、自分と同じ世代の女性たちなのだから、不思議だ。
子供たちと孫たちにいろいろなものを手作りしてきた女性の作品展示コーナーですてきなものを見つけて値段を聞いたら、非売品だということだった。「ひょっとして、ピアノの先生?」と言われて顔を見ると、その昔、彼女の娘も息子もうちにレッスンに来ていた「おかあさん」だった。その娘の息子にも一度ギターを教えていたので二代に渡るおつきあいだ。
こんなにすばらしいものを手作りしていた人だったのだとはじめて知った。
で、結局私が買ったのは、クリスマスプレゼント用ではなく、文房具フェチなので、自分用の「物差し」。
その道では有名らしいかなり高齢の女性が伝統的なレース編み機で作るとても繊細なモティーフの大作がたくさんあった。職人技のすごさだけではなく、発想も、デザインもすばらしい。
けれどもどれも芸術作品過ぎて、額装して飾る以外に考えられない。
で、身近に置いておけるものは、と探して見つけたのが物差しだった。
30cmのプラスティック物差しの中にレース編みがはさまれている。
レース編み好きと文房具フェチが一致した幸せの一点だった。