やることがいっぱいあるのに、ベネズエラ、イエメン、シリア、アルジェリアの緊迫した情勢に心が乱れる。
特に、2010-2011年にかけての「アラブの春」の時代に「巻き込まれなかった」アルジェリアで、ついに若者たちが民主化を求めて爆発的に声を上げだしたことは、アルジェリアを海外県としてきた歴史のあるフランスにとって目が離せない。
「アラブの春」の時に民主化運動がアルジェリアに「伝染」しなかったのは、1990代のイスラミストのテロによる内戦状態に疲れ果てていたからで、軍隊による統制の「平和」から外に出たくなかったからだ。しかし90年代の記憶がほとんどなく今の大統領の独裁下で育った新世代の若者にはもう我慢ができない。
問題は、今の体制が倒れたとして、「アラブの春」の時と同様に、イスラム系以外の政治的な対抗政党がないことだ。若者たちが「勝利」しても、組織力はすぐには育たない。イスラム系(つまりシャリア法を優先しようとするイスラム共同体主義)の組織に頼るしかなくなる情況、という轍を踏むことになりかねない。
そうなると、失業する若者たちが100万人も大挙してフランスに移住してくることも考えられる。フランスにはすでにアルジェリア系移民や移民の子孫がたくさんいて二重国籍者もデフォルトだからだ、ネットワークは充実している。フランスは彼らにとって自然で、ノーマルで、理想的な移住先なのだという。
エストニアは旧共産国だったのに、今はイスラム政党となり、3年後のEU脱退を目指しているという。
トルコ軍も、民主革命を戦った世代の高官は政教分離を死守しようとしているのに、20代から30代の若い兵士たちは妻にイスラム・スカーフを被らせて、日に5回の祈りを守っている者が多いそうだ。こちらの方は、しかるべき時期にトルコをEUに迎えなかったEUの失敗だったと言われている。
インターネットの発明は、印刷術や産業革命よりも大きな革命だと言われている。
2010年末からの「アラブの春」の時代よりさらに世界の若者たちはつながっている。
これからの展開に注目したい。