4月中席。2年か3年ぶりに新宿の末廣亭に行く。
今東京には600人の噺家がいるそうで、世代交代も感じるけれど、歌舞伎や伝統芸能顔負けの長老も健在だ。今回は、大正生まれ94歳(母が生きていたら同じ年だった)の桂米丸さんを聴けたので感無量、さらにいるだけでもおもしろい昔々亭桃太郎さんも聴けて最高だった。
今は東京の繁華街はどこでも外国人観光客ばかり目立つけれど、寄席に入ったら、しかも、ポリコレやコンプライアンス無視のジョークが飛び交うので、この笑いを共有できるのはやはり日本語ネイティブの強みかなあと満足。そういえばカルロスゴーンのことも、「ゴーン、再逮捕、どうなルノー?」って揶揄されていた。
小保方捏造さんなどという名前も使って笑いを取っていた。
他のところで聞いたらひどいなあと思うけれど、ここでは全てが悪気なく飛ばされていく。
米丸さんは81歳で亡くなった桂歌丸さんの師匠だそうで、弟子の葬儀で弔辞を読んで「長い間ご苦労様でした」と言った、というのもおもしろい。
飛行機のオーディオサービスでJAL名人会の古典落語をいくつか聴いてきたのだけれど、録音されて拡散されるような場所では絶対に口にできそうにない本音やら偏見やらが満載だ。実際、「これはここだけの話、」と言っていた。
94歳の米丸さんは正座はせずに椅子を使っていたけれど、飄々とした姿、薄いベージュの着物と羽織でエレガントで、自虐も交えながらの話だった。
昭和21年にデビューしてからずっと新作落語を貫いてきたそうだ。
湯川秀樹さんがノーベル賞を取った時の新聞の一面に、趣味は落語の本を読むこととあったのをはっきりと覚えているそうだ。脳を休めるため?だったそうで、その後も、ニュートンやアルキメデスをネタにしていた。