大阪の中之島の香雪美術館で、明恵上人と高山寺展に招待していただいて観に行った。
今のご住職が、今日お誘いしてくれた方の同窓生ということで急に親近感も湧く。
明恵といえば、私の中ではまず、「あかあかやあかあかあかやあかあかや あかあかあかやあかあかや月(明恵上人歌集)」だ。パリのリセで日本語を教えていた時に、日本語の五七五七七のリズムを教えるためにこれを使った。あという母音が延々と続き、最後に「月」と、UとIで締めくくるのも快感だった。
仏眼仏母像と聖母マリアの関係を考え、明恵の夢と神秘体験の関係についても考えさせられた。河合隼雄さんの『明恵 夢を生きる』を購入して読んだら、キリスト教神秘主義者の見神体験のすべてのタイプが展開しているのがわかった。
イエスやアッシジのフランチェスコとの類似性もある。つまり、既得権益集団化したプロ宗教者に対する徹底した批判だ。
けれども、自分の耳を切るというような過激な自傷が決定的に違う。キリスト教の初期の砂漠の隠遁修道士のような過激さだけれど、それに不釣り合いな徹底した合理主義もあって謎だ。明恵がキリスト者だったら、きっとフランチェスコのように聖痕者になっていただろう。明恵のようなタイプの宗教者が十字架のキリストと出会っていたらどうなっていたのか興味は尽きない。
福吉兆とコンラッドホテル
香雪美術館の後は同じビルの福吉兆でお食事。
食器も盛り付けも、もちろん繊細な味もすばらしく、満喫できた。
その後でコンラッドホテルの40階のラウンジでお茶。
ここのデザインは「宇宙」のコンセプトで統一されていて、風神雷神を雲で表したもの、宇宙塵や夜になるとガラスに映って月のようになる意匠だとか、オリジナルケーキのネーミングもデザインもすてきだった。
フェスティバルタワーにはフェスティバルホールが入っている。
この舞台で、何年か続けて踊ったことがあるのも懐かしい。
バイロイトのワグナー・オペラを観て渡辺護さんとお話ししたのもフェスティバルホールだったし、ルービンシュタインやクライバーンのピアノも聴いた。マーゴット・フォンティーンとヌレエフのパ・ド・ドウも観た。
こんなすてきな場所に自分のルーツの一部があるなんてなんだか少しうれしい。