少し前までまは日本のどんなホテルにも、ベッドの脇にラジオがついていた。放送も聞けたし、寝るときはBGMも聴けた。今はなくなっていた。みんながスマホなど持っているからだろう。
私はフランスではラジオを目覚ましにセットしている。そのいつも聴く番組はネットでは日本でも聞けるのだけれど、時差の関係で、ダイレクトには聞けない。でもpodcastでチェックするほどの気は起こらない。
それで、ネットで日本のラジオを聴くことにしたら、あまり興味をひくものがなかった。
TVも、放送大学がもう視聴できなくなっていて残念だ。興味深い講義がたくさんあったのに。
で、ラジオをさらに検索すると、朗読の時間というのを見つけ、まだギリギリ無料配信中の『シュリーマン旅行記―清国、日本』というのがあったので、全部聞いてしまった。
シュリーマンと言えばその自伝で語られる語学習得法が子供の頃からの憧れで夢だった。
今、あらためて検索すると、18ヶ国語を話せたというのは事実ではないらしいとか、仕事を辞めてからトロイアの発掘に取りかかったのだとか、トロイアの遺跡はシュリーマンの前に発掘が始まっていたのだとか、彼がかってに出土品を持ち出したので鑑定が難しくなり、保存状態も悪くなったとか、色々と、自伝の脚色を暴き私の夢を壊すようなことが書いてある。
それでも、旅行記の着眼点は、文化だけでなく、政治的経済的な視点、値段や寸法を詳しくチェックする具体的で科学的な視点がユニークで、非常におもしろいものだ。
1865年の清国と日本の差が色々な点で興味深い。清国が税官吏にヨーロッパ人を積極的に登用することによって汚職を防いで税収を増やしたというのは知らなかった。
つい眼を酷使してしまう私には寝床で聴けるラジオは、ほんとうにありがたい。