『ミスター・ガラスGlass』/M・ナイト・シャマラン
もう年配になったブルース・ウィルスが出ているのに興味を持った。
実際は、アンブレイカブル、スプリットに続く M・ナイト・シャマラン(シックス・センスの監督)の3部作のラストの作品ということで、前二作を見ていない私には分からないことが多すぎだ。多重人格の名演というのもなんだか疲れる。
でも、アメリカン・ヒーローコミックと超能力の関係という面白いテーマで、子供時代のトラウマやそれにともなう多重人格などが出てくるのだ。
アンブレイカブルが2000年ということで、ブルース・ウィルスがしっかり年を取っているのに超能力を発揮する。
私は宗教神秘主義研究の中のさまざまな超常現象の記録を読んでいるので、こういう切り口はある意味で新鮮で、合理的な説明がすぐにできない超能力を前にした時の人々の反応が時代によってどう変遷するのかというテーマを与えられた気がした。
『メリー・ポピンズ リターンズ』
ジュリー・アンドリュースの前作は、リアルタイムで見た。確か「正月映画」であり、正月三日に必ず大スクリーン(シネラマとかシネマスコープとか当時言っていた?)の娯楽映画を毎年家族で観に行っていたのだ。
でもメリーポピンズもサウンド・オブ・ミュージックもフランスでは意外と知られていなかったので、「スーパーカリフラ…」だとか「ドレミの歌」などを生徒たちに教える時も最初はあまり興味を持ってもらえなかった。
DVDが出回ってからいろいろ知られるようになった気がする。
ディズニー映画だけれど、ロンドンが舞台であることでしっかりとイギリスの俳優をそろえているのが今はよくわかる。
ジュリー・アンドリュースもそうだし、今回のエミリー・ブラントもそうだ。バンクス姉弟などもイギリス人。
だからこそ、アメリカ人俳優が異色なアクセントになっている。
メリル・ストリープの演じるメリー・ポピンズのいとこも不条理な感じが満載だし、ガス灯の点灯夫のジャックがアメリカ人なのも、前作の煙突掃除人バートがアメリカ人のディック・ヴァン・ダイク(前回は銀行の頭取との二役だったが今回も同じ銀行の前頭取役で出てくるのも驚きだ。撮影時に91歳だという。)だったことと呼応している。
前作が1910年と第一次世界大戦前の設定、今回が第二次世界大戦前の大恐慌の時代という設定も、二つの大戦間のヨーロッパの歴史に首を突っ込んでいる今では一番興味深く思われた。
ストーリー自体は、「孫を連れて行ったおばあちゃんも、孫といっしょに満足して楽しめる」と評されるようにサプライズはないけれど、「前作を子供の時に見たおばあちゃんが孫といっしょに本気で楽しめる」こと自体がすごいなあと思わずにはいられない。