「思い出」カテゴリーを追加した。
今は『神と女のキリスト教史』に集中したいので資料をまとめる必要があるので、ゆっくり記事を書いている暇がない。
それでもネットで読める週刊誌をパラパラ眺めていたら、週刊朝日の7/19号、「もう一つの自分史」第55回に超魔術師Mr.マリックさんが載っていたのを見て、突然ノスタルジーに駆られた。昨秋だったか日本に滞在していた時もTVでお顔をお見かけして変わってないなーと思ったけれど、今フランスで読んで、しかも「スプーン曲げ」との出会いがキャリアの転機のひとつになったという話を見て、すぐに「あのスプーン」を探した。
スプーン曲げは暗示だということで、暗示にかかると人は10 円玉だって曲げることができるというので8 年かけてスキルをみがき、ライブでお客といっしょにスプーンを曲げている、できる人はたくさんいる、とマリックさんは言う。
あれは多分2001 年の12月だったと思う。
マリックさんのショーで、入場時にみんなに大きめのスプーンが配られた。
確認すると、固い普通のスプーンだ。力を入れても曲がらない。
で、いよいよスプーン曲げの時に、暗示はそれまでの経験から小学二年生の女の子が一番偏見を持たずに信じて従ってくれるというので、客席から一人の少女に舞台に上がってもらった。スプーンをゆらゆらと動かして、手前にすっと押すと、すんなり曲がる。
で、それをまず見てもらってから、客席の人に各自スプーンを手に持ってもらい、マリックさんが、どうすればいいかを説明する。
みんな手元を見て必死。
で、私。
指で曲げたらくにゃっと曲がった。
おもしろい。
とっさに考えたのが、曲げるだけではつまらないから何かオブジェを作ろうということ。
まだくにゃくにゃなので、柔らかいうちにと思って、その頃お香に凝っていたので、お香立てにしようと思い、すぐにデザインとバランスを考える。
で、とってもいい感じのお香立てが完成。
暗示が覚めると、スプーンは元通りカチカチだった。
それから、うちに戻ってもっと何とかならないかと押さえてみるけれど、びくともしない。
そのスプーンはまだあったはずだと思って探したら、見つかった。
ちゃんとバランスよく置ける。
これが考えながらこねこねとした部分
Mr.マリックとスプーンの柄に刻まれている。
そのひと月ほど前に、パリに来たマリックさんとTVの収録で対談し、夜はパリのマジックショーにごいっしょした。その番組のナレーターが近藤正臣さんで、12月のショーに招待された時には私は近藤正臣さんの隣の席だった。近藤さんは最初なかなスプーンがまがらない、と苦労されていたのを覚えている。
で、ショーの後で楽屋に行ってマリックさんに私の「お香立て」を見せたら、
「これまでに、そんなものを作った人は絶対にいなかった」
と、感心というか、あきれたように言われた。
パリでご一緒した時の衛星放送のビデオはこれ(1-3まである)だけれど、もうビデオデッキもない。
この時のプロデューサーとはその数年前にノストラダムス関係の番組を作った。マリックさんと何を話したかは覚えていない。前年に岩波書店から『夢見るオートマタ』を出していたので「からくり」人形の話だったのかもしれない。
その頃はもちろん写真を撮るという発想もなかった。今、証拠の?スプーンを見つけて、記録に残せてよかったなあと思うと同時に、やはり、一体どうしてスプーン曲げが何の力も入れずにできたのかという不思議はそのままだ。