アルビの大聖堂が「特別」なのは、私にとっては何よりもそれが音楽の守護聖女セント・セシル(チェチィリア、セシリア)に捧げられているからだ。そして私のフランスでの音楽活動の原点ともなった友人ルイ・ロートレックの故郷でもある。
この大聖堂のメインは聖女セシルの聖遺物だけでなくイエスの聖十字架(の破片?)だったのだけれど、フランス革命で行方不明になったこともあり、1905年以来カテドラルも教会財産も国のものだから、特に歴史建造物としての価値が強調されている。もちろん北側に続く有料の「宝物館」も充実している。
私は当然まっ先にサント・セシルのチャペルに向かった。

横たわるサント・セシル。

聖遺骨はこれらしい。
上のブログにもあるように、この像はローマのものの摸刻だし、確認できなかったけれど、このチャペルは多分フランス革命後の一九世紀あたりにしつらえたのだろう。
そのせいなのか、見どころがたくさんあるこのサント・セシル大聖堂の案内図にはこのチャペルの存在が完全に無視されている。イヤホン案内を借りて内陣や大オルガンやその他の見どころを回ったのだけれど、このチャペルはスルーされている。イヤホンガイドの案内図にも番号が振られていない。
サント・セシル大聖堂なのだから、守護聖女のチャペルなのに。少なくとも、ツーリストの注意はひかない。チャペルや像や聖遺物容れに歴史的価値がない、真贋もはっきりしない聖遺骨などの迷信を強調をするのは近代カトリックにも共和国にも似合わない、という判断なのだろうか。(腕型の聖遺物容れは宝物館に陳列されていた。それを人型の像に入れたという記録も読んだけれど、今は分けられたということなのか、確認できなかった。)
これが宝物館にあった腕型聖遺物容れのサント・セシルの聖遺骨。

(続く)