金メダル二つの写真があり、このウィスキーがベルギーでのコンクールで二年連続金メダルを獲得、とあった。
つまり、二年連続だから、「また」なのだ。
でも、これって日本人としては語感が何となく変。
「また」って口語的過ぎて、こんな風にポンと置かれると「あら、また」「またやらかした」みたいにネガティヴな感じがする。
二年連続メダル獲得なら、「再び栄誉に輝く」、って感じの方が立派そうだ。
フランス語なら de nouveau とか。
と言ったら、日本語を個人レッスンしてやっている生徒から、「ではまた」と言うの表現は?、と質問された。
「またね」もそうだけれど、それは「ではまたの機会にお会いしましょう」という省略形だ。「またね」は今のフランス語なら「A plus!」だろう。
「またの機会」は「次の機会」とか「別の機会」とかで、「encore」という感じではない。
ちなみにコンサートなどでの「アンコール」はフランスなら「Bis!」という。
繰り返しでなくそのままの状態でいることもencoreという。まだずっといます、とか。
日本語でこういう広告を、フランス語を使って言うとしたら、つまり、この商品は今年も去年に続いて再び金メダルを受賞、と書きたいのなら、フランス語の「Encore?」はキャッチコピーにならない。
で、この広告は、Encore?が大切なのではなくて、「また」という日本語の字面がキャッチ―なわけだ。
これが、こちらで時々見かける妙な漢字などではなくて、中国語の漢字でもなくて、「ひらがな」だというところが、世界第二の日本マンガ消費国のフランスらしい。
近年日本のウィスキーが人気で、フランス人から日本からのお土産にと頼まれるほどであることも関係しているかも。
そしてもちろんウィスキーと言えばスコッチウィスキーが本場というイメージはあるので、フランスのウィスキーだからあえて日本語を使ってひねって見せた?
それにしても、こんなに大きなひらがなを突然手元で見て、それなりに感慨を覚えた。