少し前、日本の三面記事ニュースを見ていたら、夜の路上でうちに来ないかと誘った中年男が女子高生に「キモい」と言われて暴力をふるったとあった。男が徳島県の公務員だったので騒ぎが大きくなったようだ。で、「キモい」と言うことの是非などがいろいろコメントされていた。
この言葉は日本に住んでいない私にとってショッキングな言葉だ。
「ウザイ」というのも嫌な言葉だなあと思っていたけれど、「キモい」は生理的に受け付けられない。
それこそ気持ち悪い。
ついでに、チコちゃんとかで有名な「ぼーっと生きてんじゃねーよ」というフレーズも思い出した。
紅白歌合戦のビデオでも見かけたし、日本でも一度テレビで見たし、ネット雑誌のマンガでも見た。
昭和の雰囲気のあるおかっぱの女の子がこういうセリフを言うミスマッチが面白いのかもしれないけれど、「5歳の女の子」が怖い顔でこういうことを叫ぶなんて、公共放送で流して、家族みんなが楽しんで見るものなのだろうか。
何かについての誤解や無知を評して「ぼーっと生きてる」と形容するのもひどいと思うけれど、「・・じゃねーよ!」って。私が一生の間で一度も発したこともないし、面と向かって言われたこともないような語尾を、このキャラのせいで子供たちもひょっとして口にするんだろうか。
話し言葉や流行語は世につれて変わっていくから、何十年も日本に住んでいない私の感じ方を書き留めるのも意味がないのでこれまで書いたことも口にしたこともなかったけれど、「あけおめ」「ことよろ」「それさて」などの略語やKYとかは、ああそういう言い方があるのかと思うだけで、フランス語でもいくらでもあるけれど、「キモい」「ぼーっと生きてんじゃねーよ」レベルの言葉って、まともな人なら、知らない人や年上の人に言わない。 言えば少なくとも「階級差」が現れる。それが公共放送でお茶の間に、ってどうなっているんだろう。
私が日本で暮らしているおばあさんとかだったら、子供や孫が私の前でそんな言葉を使うのは即禁止だけれど。
そういえば私の母は、母の前で「死ぬ」とか「殺す」とかいう言葉を絶対に使わないように子供たちに言いわたしていた。「ものすごく嫌いだから」って。だから私たちは使わなかった。
タブーとか表現の自由の制限ではなくてリスペクトの問題なのだと、幼くても理解したことを覚えている。