ベビーブーマー世代のフランス人が書いている話で、
小学校の時にこういうドイツ語の諺(言い回し)を習った、とあった。
それは
「Heureux comme Dieu en France」
「Glücklich wie Gott in Frankreich」
つまり、「フランスにいる神さまのように幸せ」
フランスのことを「世界一美しい国に世界一不満をこぼす人間が住んでいる」と形容するのはよくある。
フランス人さえいなければフランスって世界一いいところなんだけれど…というやつだ。これは誰が言い出したのか知らないけれどフランス人は自虐好きなので喜んで口にする。
「不満を表明する自由があって、でも実際は、わりといい国なんじゃない、うちって?」のような逆説的ナルシシズムが底にあるのかもしれない。
で、冒頭の「フランスにいる神さまのように幸せ」。
こういう表現をフランスの小学校で教えて、
それをずっと覚えている人がいて、
しかも、それがもともとドイツ語の表現だなんて、
いろいろ示唆される。
神さまの居場所、居心地のよい場所って、けっこう限られているかもしれない。
きっと神さまだって、適度に自己表現できる場所が必要だろう。
神さまは別に「崇められたい」と思っていない。
神さまの自己表現は、いつも、「愛」。