10/8発売を待ってすぐに買いたい本。
カトリーヌ・ブレシニャクは原子核物理学者でフランス科学アカデミーの重鎮、フランスで最も権威ある科学者の1人だ。その彼女の新刊のタイトルが『イワシとダイヤモンド』。
イワシとダイヤモンドの共通点って何?
渡り鳥の飛翔、マーガレットの花、窓の霜、太陽系、DNAとも共通しているのは…「秩序」。
秩序は、目に見えるもの、見えないもの、多様な形をとりながら自然の中にあふれて私たちを驚嘆させてくれる。
秩序なしに「生命」は存在しない。
けれども、興味深いことに、「無秩序」なしにも「生命」は存在しない。
秩序が構造を創り、無秩序が動きを可能にする。
大きな秩序の中のひとつまみの無秩序はしばしばクリエイティブである。
というのがキャッチ・コピー。
これって、私がもう何十年も書いてきたバロック音楽理論と同じだ。
クラシックの安定、シンメトリーは、動き出さない。
バロック音楽での不協和音はスープの中のスパイス、と形容されるけれど、全体を活かす無秩序なのだ。
もう、人生全体にあてはまる。
完全な「秩序」が崩れるとパニックに陥るタイプの脳機能障害がある。
そんな障害を抱えてクリエイティヴな仕事をしている人はすごい。
「エデンの園」もきっと完全なハーモニーの「永遠」の至福の世界だったかもしれない。「禁断の木の実」を口にして、「歴史」が始まった。
でも、調和の中の不調和、秩序の中の無秩序、コスモスの中のカオスの「さじ加減」を間違えると「生命」は止まる。
無秩序を排した「完璧」やら「悠久」やらの中でも「生命」は動かない。
社会でも、政治でも、家族関係でも同じだろう。
なんだか、考えるだけで気力がわいてくるのって、私だけなのだろうか。