ロイック・ル・リボーという天才化学者がいた(2007年没)のだけれど、この人は優秀な故にいろいろな「不都合」を生じさせて何度もひどい目にあったという。
実際に犯罪を犯していないから有罪になったことはないけれど、言いがかり捜査の対象になっては騙されたり家や国を追われたり無一文になったりした。
そのエピソードを語る人が、「無実」の人は尋問されると簡単に官憲の手におちるのだと言っていた。違法行為をした人はそれなりに準備ができているし、言い訳のシミュレーションもしているだろうし、覚悟も予測もあるだろう。でも、何もしていないで突然職務質問などされた人は、驚いてあたふたしてしどろもどろになり、見るからに「あやしい」ことになるという。
いまさらだけど、なるほどなあ、と思った。
冤罪事件にありがちな心理だ。身に覚えがないのに突然身柄を拘束されたら、一体何のことかわからないから、防衛の道筋がたたない。防衛すべきかどうかさえ分からないだろう。
ロイック・ル・リボーの生涯は謎だらけだ。
その中で私も覚えているものに1989年にトゥーロンにで起こった爆発事故がある。
複数のアパルトマンがある建物全部がほとんど跡形もなく爆発した。
ガス漏れ事故、あるいは、鬱気味だった人がいて、ガス自殺を図った人がいるのだとされた。そこまではなんとなく覚えている。
で、実は、たったひとり生存者がいたのだけれど、その人の手の傷が、何度かさぶたができても治らないという不思議な経過だったそうだ。その時に呼ばれたのがロイックで、彼が検査すると、皮膚からチタンが発見されたという。
まだ歯科治療でチタンが使用されていなかった時代だ。
実は爆発前に、外で飛翔音を聞いた人が何人かいた。
トゥーロンでフランス軍と合同演習していた米軍のミサイルが誤射されて建物に命中したという仮説がたてられた。
そうすると、遺体が損傷が激しいからと言ってすぐに火葬されたことや現場検証の異常さなどすべてが説明がつくそうだ。
けれども、事件はガス爆発で一方的に終了。
当時の現場検証などの資料も閲覧できない。防衛機密に関するものは100年間公開されないのだそうだ。そういえばチェルノブイリの時の放射能拡散についての政府の発表の怪しさも有名だ。
そういえば、日本のTV 番組で1959年に沖縄で米軍の核ミサイル誤射があったというのを視聴したことがある。
軍が演習している限り、ミスがゼロということはあり得ないだろう。
最悪の「人災」はいつでも起こる。
ロイックの開発してくれたケイ素サプリメントを試しながら複雑な気分になる。。