(前回の続きです)
Q : ということは、私たちの注意を引くために、コンテンツの提供者たちは我々の最も基盤となっている本能を利用しているということですか ?
A : まさにそうです。 たとえば、cickbait (クリックの餌)というサイトは、我々の脳の基本にある、「不完全の拒否」を利用しています。全体の一片が欠けていたら、我々の脳はパズルのその一片を探して完成させようとします。「探索」というその次元は、我々の脳の最も驚くべきアスペクトの一つです。
「ベスト・テンは…」とか「あなたが‥について知らない五つのことは‥」などと言われると脳は直ちに引き付けられます。このメカニズムを理解することはとても大事です。そうしないと、実に簡単に操作されてしまいます。またかなりの広告キャンペーンは「矛盾していることの魅力」を想定して作られていますし、性的な本能も強力なモーターです。
Sekko : うーん、これも分かる。どうでもいいことで、特に興味もないテーマなのに、ベスト・テンと言われて10位が出てきたら、ついナンバーワンまで続けて見てしまう。あるいは、最初に表示されている写真にインパクトがあって、ついクリックしたのに、その写真にまつわる記事が出てこないで、別のものだった時、次々とクリックして最初に見た写真が出てくるまで延々とクリックし、さすがに目が覚めてやめる、という経験がある。本当に面白ければそれを友だちとシェアしようと思うこともあるだろう。
そういう誘惑に負けて時間をロスしないように、私はTwitterやFacebook、instagramに手を出さないようにしているのだけれど、それでも、何か検索したりニュースページを開いたりすると出てくる「5つの秘密」とか「10 の秘訣」とかに目を奪われることが確かにある。こういう「あるある」を言語化されるとかなりのリスクに気づく。
(続く)
健康ブログに「コロナの新年」書いています。