環境破壊、軍産医薬コングロマリット、大国の反知性主義のリーダーの言葉が普通に拡散する社会、もちろんコロナ禍をめぐる政治的経済的な試行錯誤の狂騒など、最近はなんだかこの世界がだんだん取り返しのつかない終末に向かっているのでは?などという煽りにさえ慣れてしまった。
けれども、私たちは総体として、それほど愚かではない。
あきらめちゃいけない。実現は遠く見えても、事実上機能していないように見えても、過去に努力し戦ってきた人が延々と積み上げてきたものを無視してはいけない。
そう思わせられたのが反核についての秋葉忠利さんのこの提言だった。
現実を見よ、時代は変わった、プラグマティックであれ、などということばの洪水の前では、「理想」や「理念」を手ばなさない人は「お花畑」「現実を知らない」「エリートの安全圏からの説教」「サンクトコストを考えよ」などと切って捨てられることが多い。核の問題、原発の問題、基地の拡大、自衛隊の軍装備のことなどいろいろある。
秋葉さんは70代だからこのプロジェクトの結果を見られるまで心身共に元気でいられるか分からない。
けれども、ヒロシマに深くかかわり、この75年間、核のない世界のために努力してきた世界中の人々の動きをこうしてきちんと振り返れば、それでも、私たちを救う唯一の正しい方向への歩みがとまっていないことに力をもらえる。
もちろん、できることならすぐに停止させたいことや変革したいことなどもたくさんあるだろう。
終末の恐怖を煽るような言説もあればその反対に極端なレジスタンスやアナクロニズムに向かう言説もある。
識別力を発揮した秋葉さんのこの提言のにはまだ続きがあるけれど、力づけられるものだったので記録しておく。