愛読書の一つ「イエス案件 le fait Jesus」の著者フィリップ・レスタンのブログに「聖母マリアの中にイエスの細胞があった」という面白い記事がある。 ある意味どうでもいいものだけれど、話のタネとして覚えておこうと思ってここに覚書。
妊娠した女性の体の中では、父親のDNAを半分持った「異物」である胎児を育てるために、生理的な拒否反応が起きないように妊娠五週間目ごろからさまざまなホルモンや神経伝達物質が胎児から発せられる。その中で、細胞幹細胞が骨髄に植えつけられ、それが母親の中でリンパ球を作って一生残るというのが今は分かっているそうだ。母親の方が生まれた子供に対して「母子一体」的反応を示すのはこれも関係しているのではないかとも言われているようだ。
でもそうなると、望まぬ相手の子供を産む羽目になった女性は、子供が生まれた後も、「望まぬ相手」の細胞を一生引き受けるのだとしたら悲惨でもある。
レスタンが連想したのは、マリアが天使の受胎告知で「神の子」イエスを宿したのだとしたら、マリアの体にはその後、胎児イエスが伝達した細胞幹細胞が残ったということだ。だから、聖母マリアは、単なる「模範的な信者」でなく、神の細胞で変異した協働救済者としてふさわしい、ということになる。マリアを聖人とするか信者の模範とするかのカトリックとプロテスタントとの立場の違いの歴史などを思うと、レスタンの記事がカトリックの文脈であるのも当然だ。
ロザリオの祈りをはじめ、聖母マリアに祈るのを常としている人々には心強い?情報かも。