ソルボンヌ大学から送ってきたカタログにひときわ興味を惹かれた本があった。
音楽社会学者のJ-M.Fauquetが、ユートピアにおける音楽の役割を書いたもの。
音楽なしのユートピアはないという。
トマス・モアの『ユートピア』からベルリオーズの『ユーフォニア』まで、音楽と社会政治プロジェクトとの関係を分析したものだという。
「理想の社会」で必ず描かれている芸術活動が音楽なのだそうだ。
この本の中では、ユートピアだけでなく、ディストピアやユークロニア(時が止まったユートピア)など75の例から豊富な引用をもとに分析したのだという。
『ユーフォニア――音楽の街』(1844)は、ベルリオーズの作曲した曲ではなく、500年後の2344年に、音楽のエッセンスを忘れて堕落したイタリアやフランスに対比して、全ての住民が歌い、演奏するドイツのユーフォニアという町を想定した話に自伝要素を加えた短編小説だ。
ベルリオーズはユゴー、ドラクロワと共にフランスのロマン派を代表するアーティストだが、この3人はみなマルチで、みんなが、文筆、音楽、絵画を手がけているのだ。
ベルリオーズのこの本は読んだことがなかったのだけれど、音楽付きの朗読がネットで聴けることが分かった。
フランス語が分かる人は、どうぞ。(59分)