「トルテカの四つの合意」というのがある。
日本ではメキシコのトルテカの末裔だとかいうドン・ミゲル・ルイスの四つの約束として訳されている。こういうのがあった。
これだけこうやって読むと、なんだかよくある自己実現法で、今となると陳腐にしか思えないのだけれど、日本では『蟻の時代』で有名なフランスのベルナール・ウェルベル(最近は猫で、『猫の惑星』とかがヒット)が、『神々の息』という小説の中でこのトルテカの四つの知恵を自分の言葉で表現し直している。人の苦しみの元が、子供の頃から与えられ枠づけられてきた固定観念だという基本は変わっていない。
で、
一つ目は、「本当に考えている言葉だけを発すること」。自分や他者に対する否定的な言葉を使わないこと。
二つ目は、「他者があなたに対していったりしたりする否定的なことについて個人的なリアクションをしないこと。」それらは他者自身の恐れや問題の投影だから。例えば誰かがあなたを侮辱するのは、あなたの問題でなくその人の問題である。
三つ目は、「推測をしないこと」。想定外のことが起こった時に否定的な仮説を組み立て始めないこと。例えば、誰かの不在を知って、自分の不安を投影する思い込みをしないこと。
四つ目は、試してみたり企ててみたりすることにおいて最善を尽くすこと。けれども、それがうまく行かなかった時に自分を責めても後悔してもいけない。
こう書かれると分かりやすいし、参考になる気がする。SNSの世界で生きるマナーや智恵にも思えるし、コロナ禍での精神衛生にもよさそうだし、宗教的なメッセージでもある。
無神論や不可知論の理解にも応用できると思うのでひとまず書きとめておく。