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L'art de croire             竹下節子ブログ

4/4の復活祭第二弾です

4/4、予定通り、11hの復活祭のミサに。
ネットテレビで見たら、大きな教会では特別許可で土曜の夜に公開の徹夜祭をやっていたところもあるし、日曜の早朝に、と実にいろいろあることが分かった。

この教会はどうなるのかなあと思っていたら、土曜日にスルーされた徹夜祭の蝋燭行列の代わりに、入り口で蝋燭が配られて火をつけてもらえた。この蝋燭は徹夜祭の「夜が明けた」というタイミングでいったん火を消し、その後、復活のよろこびで今度はみなが火を次々とリレーしてつけなおした。柘植の枝で聖水も振りかけてもらえたし、「火」と「水」のシンボリズムがあり、聖餐を共にして、音楽も聴けて歌も歌えるフルコース。

日曜日だから子供連れがたくさんいた。
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だから、途中で泣く子もいるし、よちよち走り回る赤ちゃんをその都度抱いて戻るおじいちゃんもいてほほえましい。子供連れの人を追い払おうとした弟子たちに子供こそが一番天国に近いのだ、みたいなことを言ってイエスが抱き上げたというエピソードが根付いているから、子供の叫び声などで目を顰める人は絶対にいないのがいつも頼もしい。

11hのミサは2つの小教区が合同ということで、満杯だった。
椅子が一列置き、一人分置きになっているので、満席の40%くらいの収容可能人数なのだけれど、去年のロックダウン後のおそるおそるという時期と違って、同居している人同士が隣に座るのはもう誰も気にしていない。ミサ開始後から来る人もたくさんいて、咎められないし、補助席が間隔を置いて脇に並べられたし、祭壇の後ろの階段上にも椅子が並べられた。それでも立っている人がたくさんいて、高齢者や子供連れに席を譲る人が続出した。

そういえば去年のその時期は、ミサが始まったら扉を閉めるから30分前に来てくださいというところや、ミサの回数を増やすから予約をしてください、というところなどもあったけれど、今の合意は、教会に来る人(テロリストは別として)は拒まない、ということだ。ミサというのはキリストの食卓に招かれるという一番大切なことなので、まさに「大人数の会食OK」だ。その「分かち合い」が信仰の真髄なのだから、キリストとの出会いを求めてやってくる人を拒むというのはあり得ない。

キリスト教系の慈善団体がホームレスの人や移民や難民、貧困状態にある人などにせっせと炊き出しをしてきたのも「会食」の精神があるからだとあらためて思った。もちろんその「会食」は無償で何らの見返りも想定しないものだ。

供え物をしたり喜捨するとご利益があって祈願をかなえてもらえるかも、という民間信仰のトレードは機能しない。キリスト教の神は「悪」やら「苦しみ」に責任がなくて、愛の祈願にしか応えない。それでも、十字架のイエスの姿を残して受難を追想し続けることで、「悪」の引き起こした苦しみを人々の良心に訴えると共に、苦しんでいる人の傍にいつもイエスがいると言っているわけだ。

ともあれ、復活祭。やっぱりオルガン演奏はいい。金曜、土曜と、悲痛なクラリネットや陰鬱なアルトフルートを聞かされた後で、まさに「復活の喜び」を実感できる。
歌も「ハレルヤ」ばかりで、フランス語(ラテン語)では「アレルヤ」なので最初と最後の母音が気持ちいい。最後のアレルヤの歌の後には拍手が沸き起こった。この「拍手の分かち合い」でこれもこの1 年ご無沙汰の「ライブ」のよろこびを味わえた。
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これが復活の大蝋燭。
後ろに見える椅子は、信徒席に場所がなくなってあふれた人が招かれた席。
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説教の中で一番気に入ったのは「良い喜び」という言葉。

復活祭のよろこびも、コロナ禍の一年、「パーフェクト」ではない。
「病気になった人、亡くなった人の家族もいる。けれども私たちは今よろこびのうちにいる。なぜなら、再び集まって分かち合えているからだ。よき復活祭を、そしてよき喜びを!」

日本語で言うとしっくりこないけれど、Bonne Joie! (英語ならGood Joy? )。
確かに、よろこびと言っても、何かの勝負で敵を打ち負かしたという喜びだってあるし、敵が失敗したのを見て嬉しくなる喜びだってあるだろう。他人の庭の芝が青く見えて羨む人は、その芝が枯れるのを見れば嬉しいかもしれない。戦争で爆弾を落としても、無差別テロをしても、「使命を果たした」ことによろこびを感じる人はいるだろう。弱者をいじめて喜ぶ人さえいる。

なにが「良い喜び」なのかを識別しなくてはならない、と思った。

「良い喜び」に満たされたので、帰宅してからヴァティカンのミサ(もう中継は終わっていた)で「全免償」を受けたいなどの気持ちは消えていた。
午後のミサでなかったので、若葉の輝きがまぶしい。
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良き喜びを!




by mariastella | 2021-04-04 23:15 | 宗教
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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