人気ブログランキング | 話題のタグを見る

L'art de croire             竹下節子ブログ

マレー地区を歩く

1週間少し前、マリアージュ・フレールで買うものがあったので、久しぶりにマレ地区に出かけた。
マレー地区を歩く_c0175451_23412014.jpeg
通りではほとんどだれもマスクをしていないし、バカンスの最後の週で家族連れも多い。なんだか、パリの観光客になった気分で新鮮だ。
マレー地区を歩く_c0175451_23413983.jpeg
せっかくだから、新着で、まだ缶に詰めたりティーバックになっていないおすすめのお茶を買う。お店の中ではマスク着用。
マレー地区を歩く_c0175451_23415654.jpeg
同じ通りのギャラリーでロボットを見て驚いた。
マレー地区を歩く_c0175451_23422097.jpeg
マレー地区を歩く_c0175451_23424107.jpeg
マレー地区を歩く_c0175451_23430465.jpeg
マレー地区を歩く_c0175451_23432027.jpeg
ギャラリー・サクラとある。一瞬、日本の画廊?と思ったけれど、Goldoexpoとあるので、Goldorak をテーマにたくさんのアーティストがオブジェや絵を出品していると分かる。ゴールドラックは3-40年ほど前にTVでフランス中の子供たちが見ていた。私はもちろん興味がなかったけれど、今検索すると、日本ではマジンガーZというらしい。グレンダイザーなどもこのExpoには入っているようだ。
私は、この手のマンガには疎いけれど、1992-3年にかけてパリのリセで教えていたので、少年たちが日本のアニメにはまっていることをよく知っている。
あの少年たちも今は40代で、クリエーター、アーティストになって、ゴールドラックに新しい命を吹き込んでいる世代なのかもしれない。
日本でも、あの頃のアニメのキャラクターの高価なフィギュアなどが発売されていて、大人になったファンが「大人買い」をしている。
この分野について比較を試みたことがないので、過去のキャラクターのフィギュアをコレクションするとか、それをテーマにアーティストが創作するというのが、日仏共通の現象なのかどうか分からない。

日本のアニメやマンガが、日本以外で世界一消費されているのがフランスだということはよく知られている。コロナ禍で日本のサブカル系催しがほとんどなかった一年だったけれど、このギャラリーに出品したアーティストが昔の生徒たちと重なって、温かい気持ちになった。そういえば、マクロン大統領だってもろにその世代だ。今のフランスを牽引していく世代の原風景にゴールドラックなどが確実にあると思うとなんだか嬉しい。

同じ通りの先にレインボー旗を掲げたゲイバーがあった。これもマレー地区らしい。
マレー地区を歩く_c0175451_23433989.jpeg
このゲイバーは30年前くらいにできたらしい。
マレー地区のゲイバーと言えば、1970年代にポンピドーセンターができた時、そのすぐ近くにあった友人のゲイバーのことを思い出す。昼間は国家公務員だったが、念願のゲイバーを開店したのだ。その頃は、パリの表通りにある唯一のゲイバーだった。
1980年代になってエイズが勃発するなどとはその頃想像もつかなかった。
同世代のゲイの友人たちのその後の消息は途絶えた。
このゲイバーは、エイズ登場後の1990年代に、治療薬開発の進歩と共に開かれたわけだ。いろいろな不安を乗り越えて、今はレインボー旗を掲げる時代になったのだなあと感慨深い。

その後、久しぶりにオペラ近辺の日本レストランに寄ることにして歩いた。
パリ市役所の前に、ワクチンセンターのテントが見えている。
マレー地区を歩く_c0175451_23435823.jpeg
そのままリヴォリ通りを歩くと、サン・ジャックの塔に出る。
昔はサン・ジャック(聖ヤコブ、サンチアゴ)教会があったが今残っているのはこの塔だけ。聖ヤコブの遺骨のあるスペインのサンチアゴ・デ・コンポステラへの巡礼団がここから出発したという。
マレー地区を歩く_c0175451_23443491.jpeg
公園も開いていて、ガイドツアーもあるようだ。外国人観光客はさすがにほとんど見かけないけれど、バカンス気分はある。
マレー地区を歩く_c0175451_23445001.jpeg
久しぶりにパリの真ん中をこうやって歩いてみると、別に旅行に行かなくても結構観光気分になれるなあと思った。(続く)



by mariastella | 2021-08-31 00:05 | フランス
<< パリの日本地区で日本食 『獣人』ジャン・ルノワール監督... >>



竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/

by mariastella
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
カテゴリ
検索
タグ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧