政治学者が「opération clandestine」と「 opération secrète」の違いについて解説していたのをラジオで聞いたのでここにメモ。
後者はシークレット・オペレーションで秘密作戦というのは分かるけれど、前者との区別はあまり考えたことがなかった。clandestin というのは麻薬の密売組織とか船の密航者など、影の、闇の、というニュアンスがある。
日本語ではどちらも「秘密」という訳が第一に出てくる。たとえば日本の自衛隊の出動先の「作戦」にもそんな区別があるのかどうか私には分からない。
でも、フランスの軍事作戦においてはこの「闇作戦」と「秘密作戦」ははっきりした違いがあるという。
「秘密」作戦については、作戦遂行中は秘密だが、終われば(とくに「成功」すれば)発表される。その結果については国が責任を負う。
「闇」作戦は、もちろん秘密裡に遂行されるが、終わっても公表の義務もないし、国は責任を負わない。
分かりやすい例で言うと、アフリカのマリ共和国などでのテロリスト追撃作戦はもちろん「秘密」だが、実行部隊はほぼフランス軍しかいないので、テロの首謀者を殺せば「作戦」成功となるし、失敗してフランス軍に犠牲が出ればもちろん国家による表彰や補償がある。
でも、パキスタンなどで多国籍軍がいるところで、フランス軍が「闇作戦」によって過激派の首謀者を追討したとしても、フランスの名では発表しない。
なぜなら、テロリストによるフランス国内での報復を避けるためだ。
2015年のパリ同時多発テロも、当時のオランド大統領がシリアでのIS爆撃などについて公式に「戦果」を発表したのが悪かったという。
要するに、黙っていれば、テロの報復の矛先は軍事予算的にもフランスを大きく上回る「英米」に向けられる率が高い、という「リスク・マネージメント」として「闇作戦」は位置づけられるわけだ。
意外と分かりやすい。
なるほどと思ったので書いておく。