師井公二さんの作品 vibrations を2点購入。
写真だとまさにそのvibrationsを伝えられないので残念。(追記: 終わりにもう少し雰囲気の伝わる写真があります)



不思議な陰影の秘密は、下に墨字のある紙の上から、赤とターコイズブルー(?)の色を一度塗ってから布で拭き取り、その上に赤とブルーの四角い紙を並べたものに下の色が重なる。その上にニスを塗ってから、別の紙を貼り、さらにニスを塗る、などの繰り返しのうちにできる微妙な凹凸にまた別の陰影が現れて…。
と、複雑な過程があるのだけれど、不思議なのは、それほど塗ったり貼ったりしても、厚ぼったくなったり重くなったりとはならず、逆に画面の向こう側に透けて見える世界の震えが伝わってくることだ。
このシリーズの前の作品も持っている。こちらは、震えというより、ストーリが伝わってくる。旅をしているような気分になる。
この作品の周りには、やはり師井さんの作品であるカードやキューブを配してある。

キューブとカードが置いてあるのは六角形の畳だ。これは、これを床に置くと猫が必ず座るという触れ込みに惹かれて注文したもの。畳のない生活の中でうちの猫ズが畳の上で丸くなるのはおもしろいと期待した。でも、なぜだか猫ズは見向きもせずそのまま放置。それがこのミニインスタレーションにぴったりだと思ったのだ。
この作品は寝室にあって毎日顔を合わせているので、毎日の出来事のエコーがこの作品世界に加わっていく気がする。
それに慣れた目で今回の赤と青の作品を見たら、今度はその「非-時間性」が新鮮だった。師井さんはこの2作を、壁の角のコーナーの両側で直角になるように掛ければと勧めてくれた。色と震えが微妙に干渉し合って、ますます「異界」が出現する(あるいは透けて見える)かもと想像する。ちょうどいい場所がないので考え中。
音楽も絵画も非言語アートだが、音楽は演奏者の生身を介しないと本物には出会えないが、絵画は「側における」というくらくらするような贅沢を現実にしてくれる。
(追記: 私の写真がよくないので師井さんが同じシリーズの絵の写真を送ってくださったのでここに掲載)

