年末のある日、久しぶりにパリの日本レストラン「弁慶」に行った。もともと、ミシュラン三ツ星のフレンチ・レストランを予約していたのだけれど、日本から来るはずだった主賓がコロナの「水際作戦」のために来仏をキャンセルしたので、なんとなく日本が遠のいた気分で、フレンチをやめて日本レストランにした。セーヌ沿いを歩き、セーヌを見下ろす景観で気分を変えたかった。
フランスはクリスマスの飾りは少なくとも1/6の公現祭までOKで、2/3のイエスの「お宮参り」までならぎりぎりというところだ。でも、年末、さすがに日本レストランなので、お正月ムード満載。
もう2年も日本に帰っていないし、お正月の日本に最後に行ったのは6年前だ。(金沢に行った。)
で、「弁慶」。
ここは、昔、ホテル・ニッコー・ド・パリが建ったときにできたレストランだ。
日本の国旗カラーで白と赤が鮮やかだった。

日航は一時破産状態になり、このホテルもNovotelとなった。でも弁慶は存続していて今は「鉄板焼き」が人気を博している。
私も5年ほど前に来た。
その前は40年位前に遡る。
弁慶の最初の給仕長がパリで近所に住んでいた日本人家庭のおとうさんだった。
だから当時は、フランス人を何度も招待した。その時はいつも「すき焼き」だったのを覚えている。
フランス人が寿司や刺身など食べなかった時代だ。(アメリカ経由で流行るようになった)
だから懐かしい。年末の「紅白歌合戦」のビデオもこのホテルニッコーで上映されていた時期があって観に行ったことがある。
向かいに見えるラジオ・フランスも懐かしい、このすぐそばに今は亡きオートマタ友達が住んでいた。(彼のために「夢見るオートマタ(岩波書店)」を書いた。)