(これは2月半ばに書いた記事だが、写真がいろいろあるのでアップしておく)
先日、所用があって、久しぶりにオペラ座からパレ・ロワイヤルの方にずっと歩くことになった。
そこで久しぶりに、オペラ通りに昔からあるアメリカ書店「ブレンターノ」に寄ってみた。近頃は年月の経つのが速いから、ひょっとして最後にこの店に入ったのは10年前くらいかもしれない。
本だけではなく、かわいい文房具や小物がたくさんあって、昔は時々買っていたのだけれど、日本に毎年春と秋の二度帰国するようになって以来、かわいい小物、文房具は日本にあふれているので、フランスで買うのはミュージアム・ショップでくらいになっていた。
でも、もう2年以上日本に行っていないので、ブレンターノに入るとまるで日本にいるような気分になった。
小物類はアメリカのものではなく、純粋なフランス製品がほとんどだ。オペラ通りで買い物する観光客がターゲットなのだと分かる。入り口はこんな感じ。
買ったのはこのノートと栞。
それからこのノート開いたらこういう感じ。小さい方は、読書ノートになっている。1ページごとに読んだ本のタイトルと著者と日付、5つのハートによる評価、レジュメと引用、そしてコメント、となっている。
フランスの中等教育ではたくさんの本を読まされて、このようなものを作成させられる(バカロレアではその中のどれかを籤で引いてから口頭試問がある)から、こういう読書ノートを作る習慣がある人も少なくないのかもしれない。私は今はたいていこのブログに感想を書いているから、多分このノートは使わないだろう。どの表紙にもアナログの本のイラストが描かれていた。
私も昔は読んだ本についてノートに記録していたけれど、今となってはそれを読み返すこともほとんどない。検索機能がないと不便に感じるようになっているからだ。でもこんなかわいいノートでなら実際に書き込んで手元においていたかもしれない。
オペラ通りでいろいろなブティックを眺めて、愕然としたことがひとつある。コロナ禍で、アメリカ人も中国人もブラジル人も、団体観光客もいない。フランスは空港での検疫を廃止したから、この静けさはもう長く続かないだろう。本当は、今のうちが、パリでのショッピングやら観光地めぐりやヨーロッパの他の国をどんどん回るチャンスなのかもしれない。でも、外出制限や店舗の閉鎖などで動きが鈍くなったままの「慣性」を引きずっているのが現実だ。
そのうち、昔のように観光客が溢れるようになったら、今の静けさを懐かしむようになるのだろうか。