次の日にオタワを日帰りで案内してくれる予定のイタリア系カナダ人とモントリオールで食事した。場所は、二ヶ所ある料理学校のレストラン。
シェフも給仕も会計もみな学生だ。といっても最終学年の実習生たち。もちろんプロが監修しているから安心できる。その上、料金はほぼ実費となるのでお得。前菜からコーヒーまで19カナダドル(ワインは別)。パリにもこういう場所がいくつかあるけれど行ったことがない。
しかも5月末は卒業直前のテストになる。フロアに試験官がいて学生を見ながらチェックして点数をつけているのが分かり、学生も緊張していた。
「レストランとツーリズムのメチエの学校」とある。

廊下にはこの学校の歴史が。
私たちを担当することになった女生徒。緊張しまくりだった。
複数だから、みんなが違うものを選んで比べてみた。サービスのアペリティフ。

鶉とミニトマトのサラダ。

生牡蠣

パンとチーズ入りスープ

これはホロホロチョウをクルミとアプリコットで調理したもの。芽キャベツにワイルドライスとセージのソース。


デザートもスタンダードなものばかり。ミルファーユにババロワなど。


イチゴとブラッドオレンジとスパイスを添えたチョコレートケーキ。


最後のアクシデントが食後のコーヒーだった。
私はカプチーノを頼んだが、表面にデッサンがあるなどの芸がなくて少しがっかり。アクシデントというのは一人が「カフェ・アロンジェ」を注文したのだ。要するにイタリアンのような濃いものではなくお湯で薄めたカフェイン軽めのコーヒーで、フランスならこれで通じる。
ところがメニューにも載っていないので、給仕の彼女はパニックになった。
それでアメリカンと言い直してようやく何とかなった。
アメリカンの場合はお湯を多めにする場合ともともと浅煎の豆を使う場合があるが、こういうレストランで、食後のコーヒーを薄めでほしい人はフランスならカフェ・アロンジェ(伸ばしたコーヒーというニュアンス)で通じる。
普通のプロなら、もし分からないとしても「どういうものですか?」と聞き返せばいいだけだけれど、何しろ採点されている最中の学生だから、あわてまくってテーブルを離れてヘルプを探しに行ったのだ。(ちなみに日本のネットで検索したら、アメリカンコーヒーとは和製英語でアメリカでは使わない、とあったが、アメリカ以外では通じるようだ)
気の毒だったから、後で客が感想を書く時に、彼女をフォローするコメントを書いたのはもちろんだ。
まあ、食材を除いて特に「カナダ料理」ではなく、モントリオールのアイデンティティであるフランス料理のクラシックなものと言ったところか。