人気ブログランキング | 話題のタグを見る

L'art de croire             竹下節子ブログ

パリ外国宣教会の講演 インドのキリスト者 その1

9/27、いつもより遅く午後8時に始まったMEPの講演に行った。
Zoomの時代は終わって、マスクなしの聴衆でぎっしり。

テーマはこれ。この写真は、講師のヴァヌー神父の撮影したもので、美しい。
パリ外国宣教会の講演 インドのキリスト者 その1_c0175451_06173479.png
彼は、言ってみれば「インドに恋した」西洋人の典型だ。
話している時も笑みを絶やさず、時々目を細目て瞑想中のような雰囲気のまま語る。
パリ外国宣教会の講演 インドのキリスト者 その1_c0175451_06114249.png
最後は、先輩に締めくくってもらうのが「伝統」だそうで、インドに宣教師として70 年滞在しているアメリカ人宣教師があいさつした。元気でユーモアも交えて、彼らを見ているとみなユートピアから来ているような錯覚が起きる。
パリ外国宣教会の講演 インドのキリスト者 その1_c0175451_06084321.jpeg

彼らが一様に師と仰ぐのはアンリ・ル・ソーHenri Le Sauxという宣教師で、この人は、ベネディクト会修道士なのにインドに行って帰ってこないのでブルターニュにいる母親が心配したほどにインドの生活に入れあげて、もう見た目がガンジーと変わらない。上半身裸でがりがりに痩せている。
ミサを挙げるときもこんな感じ。
パリ外国宣教会の講演 インドのキリスト者 その1_c0175451_07021864.jpeg
それでも一生カトリックの宣教師としての身分を持ち続けた。
でも、皆、ヒンドゥ教の文化と完全に溶け込んでいる。
もちろん亡命のチベット仏教者やムスリムやジャイナ教徒とも溶け込んでいて、キリスト教徒がイエスの体として一つ、というように、ここでは何教徒でも、インドの大地とひとつ、というそれだけだ。マザーテレサが女神のように尊敬され祀られていたように、宣教師や修道女たちも人々の尊敬の的になっている。
そんなこともあって、宣教師たちも、神々の宇宙を共有している。
そういえば、ヒンドゥ教の学者が、ヒンドゥも超越神の宗教です。神々は創造神の化身なのです、と言っていたことを思い出した。(終わりにリンク)
ルター派などのプロテスタントの宣教師はどう考えるのか分からないけれど、聖人崇敬を取り入れたカトリックの宣教師には違和感のない世界なのかもしれない。

11月に3年ぶりに日本に帰る時、95歳のベルギー人宣教師の友人に3年ぶりで会う予定だ。彼も70年日本にいて、完全に日本のメンタリティと一体化しているように見えるけれど、もし彼がインドに派遣されていたらどうなっていたのだろう。

ヴァヌー神父が言ったことで、なるほどと思ったのは、宣教師は宣教地の人々や文化や空気と、織物を紡いでいるように生きているという表現だった。
キリスト者対異教徒とか、よそ者対現地人とかの「関係」を築くというより、共に紡いだ織物を残すのが使命という感じだ。

その共感ぶりが半端ではなく、「アイデンティティとしての閉鎖されたキリスト教」でなく外に開かれたキリスト教、根っこの部分が深いからこそどこにいても枝葉が茂る、と強調していた。一方でそれを「征服するキリスト教」とも表現していたのは違和感を覚えた。スピリチュアリティを拡大するところでは、イエス・キリストのミステール(神秘、秘跡)こそが最終的に明らかになる、という実感なのだろうか。

(続く)








by mariastella | 2022-10-05 00:05 | 宗教
<< パリ外国宣教会の講演 インドの... ランベドゥーザのヴァイオリン >>



竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
以前の記事
2026年 04月
2026年 03月
2026年 02月
2026年 01月
2025年 12月
2025年 11月
2025年 10月
2025年 09月
2025年 08月
2025年 07月
2025年 06月
2025年 05月
2025年 04月
2025年 03月
2025年 02月
2025年 01月
2024年 12月
2024年 11月
2024年 10月
2024年 09月
2024年 08月
2024年 07月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
カテゴリ
検索
タグ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧